2019年5月27日(月)

「心は女性」 女子大で受け入れ検討広がる

2018/7/10 18:50
保存
共有
印刷
その他

戸籍上は男性だが自分の性別を女性だと認識しているトランスジェンダーについて、各地の女子大が受け入れの検討を進めている。先行するお茶の水女子大は10日に記者会見を開き、2020年度から受け入れると説明。性の多様性に対する認識が高まるなか、受け入れの動きは他にも広がりそうだ。

お茶の水女子大を皮切りに、女子大でトランスジェンダー受け入れの検討が広がる(10日午後、東京都文京区)

トランスジェンダーは自分の性別が、出生時の性別(戸籍の性別)とは異なると感じている人を指す。性的関心の対象による異性愛、同性愛とは別の概念。また、性同一性障害は精神科の疾患名で、違和感や苦痛を改善するために身体的な治療に進む人が多い。

お茶の水女子大の室伏きみ子学長は10日の記者会見で、性別には社会的、医学的に多様性があることが分かっており、トランスジェンダーの受け入れは「多様性を包摂する社会の対応として当然」と説明。出願資格を「女子」から「戸籍、または性自認が女子の場合」に改めるとした。

これまで16、17年にトランスジェンダーの受け入れについて問い合わせがあったが「戸籍上女性の人のみ」と答えて門戸を閉ざしてきた。他方、海外の名門女子大が相次いで受け入れを決めるなどの社会の流れもあり、16年度から検討を進めていた。

日本女子大では15年、トランスジェンダーの子供について付属中への入学希望があったが、検討の結果、「時期尚早で今は受け入れられない」とした。しかし、これを機に17年に委員会を設置して検討を続けている。

津田塾大も17年に受け入れに向けた委員会を立ち上げたほか、奈良女子大も検討を進めている。

各女子大の有識者らが参加する日本学術会議法学委員会の分科会は17年、トランスジェンダーが女子校や女子大に進学できないことは「学ぶ権利の侵害」と指摘する提言をまとめている。

受け入れを決めたお茶の水女子大では、トランスジェンダーが受験を希望する場合、事前に申し出てもらい、大学が出願資格に該当するか確認する方針。今後、委員会を新設し、具体的な制度設計や受け入れ体制の整備に着手する。

トランスジェンダーの子供同士の交流会を開いてきた京都府立高教員、土肥いつきさん(56)は「学生にとっても大学に自分の存在を認められることになり、意味は大きい」と歓迎する。土肥さん自身も男性として生まれ、性自認は女性。交流会の子供たちは自認する性で普通に生活してきており、「トランスジェンダーが大学に入っても何も起きないと伝えたい」と話している。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報