80年ぶり再結集 寝具の西川産業など3社

2018/7/10 18:42
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寝具メーカー大手の西川産業と京都西川(京都市)、西川リビング(大阪市)の3社は10日、経営統合へ向けた協議を進めると発表した。2019年2月1日にも3社を統合する予定だ。生産性向上の観点で、睡眠への関心は高まっている。商機をとらえるため、一度は分かれた3社が約80年ぶりに再結集する。

西川産業は睡眠環境の改善を支援するサービスを始めた(東京都千代田区のねむりの相談所)

3社は合併に向けて協議を進める基本合意を結んだ。持ち株会社の設置も視野に統合形態や条件などを協議し、各社の株主総会などを経て正式に決める計画だ。経営統合が実現すれば、売上高は約700億円となる。

3社は1566年に滋賀県で創業した生活用品店が起源とされる。1941年に東京、京都、大阪に構えた寝具専門店がそれぞれ独立し、法人化した。その後で西川産業、京都西川、西川リビングへと成長した。

西川産業は百貨店や寝具専門店への卸売り販売に強みを持つ。訪問販売から販路を開拓した京都西川はホームセンターやネット通販での販売が得意で、西川リビングはホテルなど大型施設への導入で先行する。今後は3社の販路を共有し、新たな顧客を掘り起こす計画だ。商品開発力などを生かし、データに裏付けられた新しいサービスの開発にも力を注ぐ。

経営統合を進める背景には、寝具市場の競争激化への危機感がある。低価格帯の寝具を販売するニトリホールディングスなどが台頭し、顧客を奪われた。しまむらも5月に寝具・インテリア専門店を開業し、機能性の高いベッド用品やインテリア商品を低価格で販売し始めている。

新興の寝具メーカーも存在感を高めている。樹脂射出成型機の製造装置メーカーだったエアウィーヴは2005年に新事業としてマットレスを開発した。低反発で軟らかいマットレスが主流だった国内市場で高反発マットレスを発売し、売り上げを伸ばしている。

寝不足が続く状態を示す「睡眠負債」が流行語になるなど、質の高い眠りを求める人が増えている。これを受けて各社は寝具の販売にとどまらず、睡眠関連のビジネスを広げようとしている。

西川産業は17年に睡眠環境の改善を支援するサービス「ねむりの相談所」を立ち上げたほか、3月にはパナソニックと共同で睡眠関連のサービスを共同開発し始めた。機能性寝具を販売するエアウィーヴは17年に楽天や森トラスト、中部電力と相次ぎ資本を受け入れ、異業種との幅広い連携を進めている。

(高橋彩)

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