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快調桃田 マレーシアの英雄を超え伝説を目指せ
編集委員 北川和徳

2018/7/11 6:30
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バドミントンの桃田賢斗(23、NTT東日本)が世界の頂点に向けて着実に歩んでいる。インドネシア・オープンで7月8日、2017年世界王者で世界ランキング1位のビクトル・アクセルセン(24、デンマーク)を2―0で圧倒して優勝。7月末から始まる世界選手権(中国)は、男子シングルスの本命として臨むことになりそうだ。

有力選手がそろったインドネシア・オープンを快勝した桃田=AP

有力選手がそろったインドネシア・オープンを快勝した桃田=AP

闇カジノに出入りしての出場停止から実戦復帰して1年余り。「うまくいきすぎて不安になる」と本人が口にするほど順調だ。4月には世界ランク上位選手を次々と破ってアジア選手権を初制覇。5月の国・地域別対抗戦男子トマス杯でも6戦全勝で日本の準優勝に貢献した。アクセルセンや2016年リオデジャネイロ五輪金メダルの諶龍(中国)に快勝した。

今回のワールド・ツアーの遠征では、マレーシア・オープンで準優勝、格付けが高く有力選手がそろうインドネシア・オープンを制した。「トマス杯まではまだ自分に相手が慣れていないと感じたが、今回は対策されても勝てたのが大きい」と振り返る。

自分を見つめ直し、謹慎前より強く

慢心していた自分を見つめ直し、嫌いだったランニングや筋トレで体を鍛え直したことで、世界ランク2位まで上がった謹慎前よりも明らかに強くなっている。5月末に桃田の話を聞く機会があった。「試合中に相手が疲れていると感じても、自分は動けている。体の強さが大切だとよく分かった」。謹慎中の1年間については「バドミントン以外(のところ)で成長できた。それが現在のプレーに影響している」と冷静に語っていた。

その桃田をマレーシア・オープンで止めたのが35歳のマレーシアの英雄、リー・チョンウェイ。バドミントンファンならだれもが知る伝説的プレーヤーだ。インドネシアでは準決勝で対戦して桃田が勝ったが、その前週のマレーシアは21連勝中だった桃田を決勝で破った。

マレーシアでもインドネシアでも、試合はストレートで決着したが、ともに激戦だった。互いにフットワークに優れ、どんなシャトルも拾ってしまうから、激しいラリーがなかなか終わらない。会場内の風を読み違えてのミスは時々見られたが、正確にコントロールされたスマッシュやロブ、繊細で巧妙なネットプレーの応酬。バドミントンが国技といわれるほど盛んな両国のファンが大喜びする、レベルの高い内容だった。

35歳のリー・チョンウェイ(右)はマレーシア・オープンで桃田を決勝で破った=AP

35歳のリー・チョンウェイ(右)はマレーシア・オープンで桃田を決勝で破った=AP

年齢を重ねてもチョンウェイのプレーにはまるで衰えが感じられない。五輪では3大会連続の銀メダルに泣いている。世界選手権も2位3回で優勝がない。世界タイトルは彼にとってどうしても手に入れたい悲願だろう。

母国マレーシアは五輪でまだ金メダルを獲得したアスリートがいない。チョンウェイはリオの直後に、「(次の五輪に)私が出ることはない」と語っているのだが、東京五輪で「4度目の正直」への挑戦は十分にあると思う。

桃田はまだ23歳。チョンウェイにならえば、これから4回の五輪出場も夢ではない。東京の金メダル候補と騒がれるのだろうが、それを超えるバドミントン界の伝説を目指してほしい。本人は「12年後の自分があんなプレーをできるとは思えない」と苦笑いしていたが……。

まずは2年後の東京。桃田と伝説的プレーヤーの勝負を楽しみにしたい。

(2020年東京五輪開幕まであと744日)

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