2018年9月22日(土)

カウントダウン東京2020

フォローする

快調桃田 マレーシアの英雄を超え伝説を目指せ
編集委員 北川和徳

2018/7/11 6:30
保存
共有
印刷
その他

 バドミントンの桃田賢斗(23、NTT東日本)が世界の頂点に向けて着実に歩んでいる。インドネシア・オープンで7月8日、2017年世界王者で世界ランキング1位のビクトル・アクセルセン(24、デンマーク)を2―0で圧倒して優勝。7月末から始まる世界選手権(中国)は、男子シングルスの本命として臨むことになりそうだ。

有力選手がそろったインドネシア・オープンを快勝した桃田=AP

有力選手がそろったインドネシア・オープンを快勝した桃田=AP

 闇カジノに出入りしての出場停止から実戦復帰して1年余り。「うまくいきすぎて不安になる」と本人が口にするほど順調だ。4月には世界ランク上位選手を次々と破ってアジア選手権を初制覇。5月の国・地域別対抗戦男子トマス杯でも6戦全勝で日本の準優勝に貢献した。アクセルセンや2016年リオデジャネイロ五輪金メダルの諶龍(中国)に快勝した。

 今回のワールド・ツアーの遠征では、マレーシア・オープンで準優勝、格付けが高く有力選手がそろうインドネシア・オープンを制した。「トマス杯まではまだ自分に相手が慣れていないと感じたが、今回は対策されても勝てたのが大きい」と振り返る。

自分を見つめ直し、謹慎前より強く

 慢心していた自分を見つめ直し、嫌いだったランニングや筋トレで体を鍛え直したことで、世界ランク2位まで上がった謹慎前よりも明らかに強くなっている。5月末に桃田の話を聞く機会があった。「試合中に相手が疲れていると感じても、自分は動けている。体の強さが大切だとよく分かった」。謹慎中の1年間については「バドミントン以外(のところ)で成長できた。それが現在のプレーに影響している」と冷静に語っていた。

 その桃田をマレーシア・オープンで止めたのが35歳のマレーシアの英雄、リー・チョンウェイ。バドミントンファンならだれもが知る伝説的プレーヤーだ。インドネシアでは準決勝で対戦して桃田が勝ったが、その前週のマレーシアは21連勝中だった桃田を決勝で破った。

 マレーシアでもインドネシアでも、試合はストレートで決着したが、ともに激戦だった。互いにフットワークに優れ、どんなシャトルも拾ってしまうから、激しいラリーがなかなか終わらない。会場内の風を読み違えてのミスは時々見られたが、正確にコントロールされたスマッシュやロブ、繊細で巧妙なネットプレーの応酬。バドミントンが国技といわれるほど盛んな両国のファンが大喜びする、レベルの高い内容だった。

35歳のリー・チョンウェイ(右)はマレーシア・オープンで桃田を決勝で破った=AP

35歳のリー・チョンウェイ(右)はマレーシア・オープンで桃田を決勝で破った=AP

 年齢を重ねてもチョンウェイのプレーにはまるで衰えが感じられない。五輪では3大会連続の銀メダルに泣いている。世界選手権も2位3回で優勝がない。世界タイトルは彼にとってどうしても手に入れたい悲願だろう。

 母国マレーシアは五輪でまだ金メダルを獲得したアスリートがいない。チョンウェイはリオの直後に、「(次の五輪に)私が出ることはない」と語っているのだが、東京五輪で「4度目の正直」への挑戦は十分にあると思う。

 桃田はまだ23歳。チョンウェイにならえば、これから4回の五輪出場も夢ではない。東京の金メダル候補と騒がれるのだろうが、それを超えるバドミントン界の伝説を目指してほしい。本人は「12年後の自分があんなプレーをできるとは思えない」と苦笑いしていたが……。

 まずは2年後の東京。桃田と伝説的プレーヤーの勝負を楽しみにしたい。

(2020年東京五輪開幕まであと744日)

カウントダウン東京2020をMyニュースでまとめ読み
フォローする

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

保存
共有
印刷
その他

五輪関連コラム

電子版トップスポーツトップ

カウントダウン東京2020 一覧

フォローする
ジャパン・オープンでは準決勝まで勝ち上がった大堀彩も世界ランクは2ケタ。山口、奥原の背中はまだ遠い=共同共同

 9月16日まで東京五輪の会場でもある武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)で開催されたバドミントンのダイハツ・ヨネックス・ジャパン・オープン。女子シングルス準決勝で奥原希望(23、日本ユニシス …続き (9/19)

塚原夫妻の職務一時停止など、10日の臨時理事会の決定事項を発表する日本体操協会の山本宜史専務理事(右)と具志堅幸司副会長=共同共同

 1994年広島アジア大会で敗れた直後の男子レスリング選手からこんな愚痴を聞いた。「代表チームの合宿にいくと、ライバル校の監督の指導を受ける。その監督の教え子も代表チームにいる。そこで自分をすべてさら …続き (9/12)

コーチからの暴力を巡る問題で、8月29日に記者会見する宮川選手(右)=共同共同

 体操の女子選手に対する暴力指導とコーチの処分から始まった問題は、日本体操協会副会長の塚原光男氏(70)と女子強化本部長である塚原氏の妻、千恵子氏(71)のパワハラ疑惑に波及した。またもや第三者委員会 …続き (9/5)

ハイライト・スポーツ

[PR]