2018年11月17日(土)

「スマート治療室」臨床研究を開始 信州大に第1号

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BP速報
2018/7/10 20:00
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東京女子医科大学に設置したスマート手術室のプロトタイプ

東京女子医科大学に設置したスマート手術室のプロトタイプ

国立研究開発法人の日本医療研究開発機構(AMED)は2018年7月9日、「スマート治療室」の臨床研究を信州大学で始めると発表した。スマート治療室はあらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用して医療機器や設備を連携させ、手術の精度や安全性を向上させる構想。4年前から5大学・11社と共同で開発してきた。7月中に第1例として脳腫瘍摘出手術を実施する予定。「2年ほどかけて脳腫瘍摘出手術の40例程度に適用していく」(信州大学医学部脳神経外科の本郷一博教授)。

■手術室を丸ごと医療機器にする

開発プロジェクトを統括する東京女子医科大学の村垣善浩教授

開発プロジェクトを統括する東京女子医科大学の村垣善浩教授

このほど、19年度の事業化を目指す「スタンダードモデル」について、スマート治療室の第1号を信州大学医学部付属病院に設置した。開発プロジェクトを統括する東京女子医科大学先端生命医科学研究所の村垣善浩教授はスマート治療室を「部屋全体を1つの医療機器にする考え方」と説明する。

手術室内の各種の医療機器をネットワークに接続し、ミドルウエアを通じてデータ連携を可能にする。手術に関する膨大な情報の可視化や、手術の精度向上につながると見込む。手術ロボットや意思決定を支援する人工知能(AI)の活用も想定する。

信州大学が設置したスタンダードモデルは手術ナビゲーションシステムや生体情報モニター、磁気共鳴画像装置(MRI)などの画像検査装置を計17台接続した。治療室用の通信インタフェースのソフト「OPeLiNK(オペリンク)」も使っている。OPeLiNKは、パソコンのアプリケーションソフトと工場内のファクトリーオートメーション(FA)機器を接続するのに使う通信インターフェース「ORiN(オライン)」を基にデンソーが中心となって開発した。

手術室の外にいる医師がリアルタイムの情報を見ながらアドバイスできる(東京女子医科

手術室の外にいる医師がリアルタイムの情報を見ながらアドバイスできる(東京女子医科

医療機器から集めたリアルタイムの情報を統合的に表示するため、80型の大型モニターを手術室内に設置した。手術の途中で手術室の外にいる医師からアドバイスを受けるのにも使う。外にいる医師は、同じ情報をほぼ遅延なく見られる大型モニターを設置した別室で、手術室内の医師と対話したり画面に電子ペンで注意点を書き込んだりする。

AMEDや開発に協力する企業はスタンダードモデルを世界に普及させることを目指す。スタンダードモデル一式の価格は構成によるが「数億円程度」(日立製作所ヘルスケアビジネスユニットの中西彰外科治療ソリューション本部長)を想定する。日立製作所は20年度から10年間で300億円の売り上げを見込んでいる。

(日経 xTECH/日経コンピュータ 竹居智久)

[日経 xTECH 2018年7月9日掲載]

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