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シニアツアー活況 伊沢が参戦、谷口も初出場

編集委員 吉良幸雄

男子シニアツアーで、レギュラーツアーで賞金王に輝いた"大型新人"たちがデビューし始めた。今週7月12日開幕の日本シニアオープン選手権(北海道ニドムCニスパ)には、2002、07年賞金王の谷口徹がシニア初登場する。

1968年生まれの谷口は、2月に50歳の誕生日を迎えた。シニアツアーを統括する日本プロゴルフ協会(PGA)にシニア登録すれば、4月の開幕戦、金秀シニア(沖縄)から出場できたが登録を見送っていた。

谷口(左)は日本プロ選手権を50歳で制した=共同

谷口には「レギュラーツアーで戦える限りは……」というこだわりがある。実力はなお健在。5月の日本プロ選手権(千葉・房総CC房総)では雨の中、藤本佳則をプレーオフで破り、3度目の大会制覇を史上最年長国内メジャーVで飾った。日本ゴルフ協会(JGA)が主催する日本シニアオープンにも当初は出場する予定はなかったが、前週のセガサミー杯(予選落ち)に続く北海道開催で、次週の全英オープン(カーヌスティ)出場がかなわなかったため、参加することにしたという。

実績あれど50歳はあくまで新人

シニアツアーは"年功序列"的で、年齢が幅をきかせる。いくらそれまでの実績があっても50歳はあくまで新人だ。プロアマ大会に1組に1人ずつ、シニアメンバーが参加した日本プロの前夜祭で、「シニア選手は壇上に上ってください」とアナウンスがあると、谷口は「『おまえ、上れよ』と先輩から集中砲火を浴びた」と苦笑する。

シニアツアーには同学年で顔なじみの山添昌良が昨秋から参戦し、金秀シニア、すまいーだカップ(6月、栃木)とすでに2勝をマーク。ツアーでの生涯獲得賞金は2461万円なのに、今季はシニアで1578万円を稼ぎ、賞金ランク2位。「昔から知っているけれど、あいつが勝つとは」と谷口は"対抗意識"を燃やす。

01、03年賞金王で68年3月生まれの伊沢利光も第4戦のすまいーだ杯(26位)でデビューしたばかりだ。第5戦のスターツシニアは脇腹痛のため欠場した。今季はレギュラーツアー1試合、下部のAbemaTVツアー4試合にも出場。思うような成績を残せていないが、日本シニアオープンでは、谷口とともに日本オープン、シニアオープンとダブルタイトル獲得を目指す。

ツアーでは長く名前を見ることがなかった「オールドネーム」もシニアでは顔を見せている。弱冠20歳でツアーデビューした西川哲だ。日経カップ中村寅吉メモリアルでツアー3勝目を挙げた95年を最後に賞金シード陥落。12年からはまったくツアーに出ていなかった。その間、競馬関連会社の社長を務めるなど「月イチゴルファー」になっていたが、シニア入りを機に競技生活に戻ってきた。以前に頸椎(けいつい)ヘルニアを患ったこともあり、まずは練習ができる体づくりを、と「1年前から体幹を鍛えるなどトレーニングして準備をしてきた。腰や膝などのケガは嫌だし、6、7キロ体重も絞った」という。50歳になって2週間後、富邦仰徳シニア盃(台湾)でデビューした。

12年からツアーに出ていなかった西川哲は今季からシニアツアーに参戦している

「後輩がいないし、最初は緊張した。全員にあいさつして……。でも、今のシニアは倉本(昌弘)さん、飯合(肇)さん、室田(淳)さんら、レギュラーツアーで一緒にプレーした人ばかりだから、雰囲気にはすぐなじめた」そうだ。これまで3試合に出場し25位がベスト。飛距離は260~270ヤードに落ちた。試合勘も戻っていないのだろう。「練習ではできることがコースでできない。試合の感覚に慣れなくて……。ちょっと時間がかかるかな。練習ラウンドのようにやれれば」と話す。ツアー2勝で、銀座でゴルフクリニックを主宰する小達敏昭も、第2戦のノジマ選手権箱根シニア(4月)から参戦している。

中嶋もシニアに軸足

ツアー48勝の永久シード選手で、レギュラー、シニア両ツアーで活躍する中嶋常幸(63)はシニアに軸足を移すことを明らかにした。国内メジャー第2戦の日本ツアー選手権森ビル杯(6月、茨城・宍戸ヒルズCC)で「この試合の出場は最後」とメジャー大会からの「卒業」を口にした。日本アマ、日本オープン、日本プロ、日本シニアオープンなど数々の日本タイトルを獲得。ツアー選手権では06年に優勝争いを演じ3位に。「これを取ると(日本タイトル)8冠になるのをモチベーションに頑張ってきたけれど、体がついていかない。自分のやろうとしているゴルフができなくなった。いかんともしがたい」。今回は76、77の通算11オーバーで予選落ち。「卒業式くらいは60台で回りたかったな。悔しいなあ」と残念がった。

「キャリーで250ヤード飛ばなくなったら『卒業』と、5、6年前から言ってきた。今も2270ヤードは出るけれど、(出場枠を)若い者に譲ろうと。去年くらいから、自分はもうそろそろと」。8年前に恒例のスキー合宿に訪れた青森市内で交通事故に遭い、全治2カ月の重傷を負った。リハビリを重ね、13年にはスターツシニアで優勝を飾っているが、「事故の影響で、十二分に試合で戦う体じゃなくなった。鍛え抜かれたアスリートの体じゃないと、こういう試合(ツアー選手権)では戦えない」。55歳までは年齢を感じなかったそうだが「60歳でガクッと」。71歳の尾崎将司はシニアツアーには目もくれず、レギュラーツアーにこだわり続けるが、中嶋は「価値観の問題。挑戦し続けるジャンボを応援していきたいね」。ただレギュラーツアーを引退するわけではない。あくまでメジャーに出ないだけ。11月のダンロップフェニックス(宮崎)には出場を予定している。

これから続々、有名選手がシニアの仲間入りをする。03年日本オープンなどツアー8勝の深堀圭一郎は10月で50歳になった後、シニアツアーに出場する心づもりだ。同じく10月生まれでメジャー2冠の手嶋多一は、まだシニアには出ないそうだが、来年の日本シニアオープン(埼玉・日高CC)には参加したいという。日本シニアオープンに、一足先に谷口が出ることを知ると「谷口さんはずるい。(来年6月で50歳になる)藤田(寛之)君と3人で一緒に出るつもりでいたのに」と口をとがらせていた。

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