出光・昭シェル、19年4月統合 新社名「出光興産」
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石油元売り大手の出光興産と昭和シェル石油は10日、2019年4月に経営統合すると正式に発表した。新会社の社名は「出光興産」とする。28%の出光株を持ち、統合に反対を続けてきた出光創業家が賛成に転じた。約2年にわたった出光と創業家との対立がようやく解消し、石油元売り業界で最大手のJXTGホールディングスに次ぐ企業が誕生する。
10日に記者会見した出光の月岡隆会長は「商号は出光興産になる」と説明。昭シェルの亀岡剛社長は「両社の取締役や役員はフェアな形で出す」と述べた。
両社の発表によると、まず昭シェルを19年3月29日に上場廃止とした後、同年4月に株式交換により出光が昭シェルを完全子会社化する。その後、両社は合併を視野に入れているもようだ。新会社の売上高は5兆7700億円規模となりJXTGとの国内2強体制となる。
今年10月の統合合意を目指す。12月に両社が臨時株主総会を開いて正式に決定する。

創業家側は統合新会社に創業家が推薦する2人の取締役を入れる条件を示してきたが、出光側はこれを受け入れた。
創業家は出光側に自社株式の取得を求めてきたため、出光は10日、1200万株、550億円を上限とする自己株式の取得を実施すると発表した。これにより株主還元を充実させる。統合の際に昭シェルの株主に対して交付する株式としても利用する。
出光と創業家は交渉が途絶えていたが、18年4月から交渉を再開していた。給油所などで使うブランドマークは両社の既存マークを一定期間存続させる。