2019年7月16日(火)

日産、断てぬ不正 排ガス試験でも発覚

2018/7/9 23:17
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日産自動車の完成車の検査で新たな不正が見つかった。燃費・排ガス試験で測定する際の条件を満たしていないにもかかわらず試験を有効としたりデータを書き換えたりしており、昨年発覚した無資格の従業員による不正検査に続く不祥事だ。検査問題の発覚後に襟を正すと誓ったのに不正が繰り返された。ブランドイメージが傷つき、取り戻すのは容易でない。

記者会見で謝罪する日産自動車の山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィサー(左)ら(9日午後、横浜市西区)

日産の不正の内容はSUBARU(スバル)と似通っている。排ガス成分や条件のデータを書き換えた事例が913台。試験環境が決められたルールから逸脱していたのに有効としたのが690台。問題の台数がスバルと近く、内容もほぼ同じだ。日産では重複を差し引いて、国内で販売する自動車の大半の車種、1171台が不正対象となった。

国が定める排ガスの保安基準を満たしたとしており、リコール(回収・修理)の必要は無いと説明している。カタログで公表している燃費数値にも誤りはないという。いずれも不正があったデータを取り除き再検証した結果としている。

問題の根が深いのは調査期間が今年6月にまで及んでいることだ。無資格検査不正の発覚は昨年9月。10月に西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)が記者会見を開いて従業員の意識改革や再発防止への取り組みを語っていたのに今年に入っても検査工程での不正が続いていたことになる。

山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)は9日の記者会見で「無資格問題に集中して改善に取り組んでいた。他社の事例があったため調査し問題を把握した」と述べスバルの排ガス検査不正が問題発覚のきっかけだと説明した。隠す意図は無かったとの主張だが、無資格検査でも10月の記者会見を終えた後、同種の不正を別の工場で継続していたことが露呈している。当事者意識の薄さは昨年から指摘されていた。

新たな不正は国内に6カ所ある完成車工場のうち5カ所で見つかり、全社的な体質との批判も免れない。しかし西川CEOは9日の記者会見に出席しなかった。山内CCOは西川氏の責任について「西川を筆頭にコンプライアンス(法令順守)を徹底していく」と述べるにとどめた。経営陣の報酬返上は検討中という。スバルでは吉永泰之社長(当時)が6月の株主総会後に代表権とCEO職を返上している。

日産は昨秋の無資格検査問題の発覚で国内販売が落ち込んだが、今年1~6月には小型車「ノート」が軽自動車を除く車種別の国内販売で48年ぶりに首位となった。悪化したブランドイメージの回復にめどがつきかけた矢先の不正の上塗り。国内販売への影響は長期化するとの見方が強い。

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