2018年9月24日(月)

西日本豪雨、平成で最大被害 治水の想定上回る

2018/7/9 18:47 (2018/7/9 22:38更新)
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 西日本を襲った記録的豪雨による死者は9日までに126人、80人以上の安否が分かっておらず、平成に入って最悪の豪雨災害となった。高速道路の通行止めや鉄道の運休も続いており、企業活動への影響が長引くことも予想される。想定を超える量の雨で、河川が氾濫する災害は近年相次ぎ、ソフト面を含めた新たな水害対策が求められている。

 気象庁は9日、今回の災害を「平成30年7月豪雨」と命名した。

 同庁は6日以降、「数十年に一度の重大な災害が予想される」として京都、広島、岡山、兵庫、岐阜、愛媛などの1府10県に「大雨特別警報」を発令。123地点で8日までの2日間の雨量が観測史上最高を更新した。

 国土交通省によると、台風7号による被害も含め、岡山県など7カ所で堤防が決壊。国が管理する36河川123カ所、道府県が管理する83河川91カ所で水が堤防を越える越水や堤防のない河川があふれる溢水(いっすい)などが発生した。

 岡山県倉敷市の真備町地区では小田川の堤防2カ所が決壊し、約1200ヘクタールが浸水。本流の高梁川の水位が上がり、支流の小田川が合流できなくなる「バックウオーター」現象が起きた。周辺では過去にも氾濫が起きており、国交省は合流部を下流へ移す工事を予定していた。

 気象庁によると、河川の氾濫などで1万棟以上の建物が浸水するなどした豪雨は、2004年以降で11回発生している。

 国交省は河川ごとに200年、100年に一度の豪雨を想定した整備方針を定めているが、工事が完了した河川はない。18年度の治水事業費は7961億円で、ピークだった1997年度の1兆3700億円からは大きく減った。財政面の制約もあり、短期間で工事を進めるのは難しい。

 同省は堤防などの限界を超える集中豪雨が多発する現状を踏まえ17年に水防法を改正。30項目以上の緊急行動計画を取りまとめるなど、ソフト面の対策に力を入れる。

 企業の豪雨への備えも他の災害に比べて遅れが目立つ。内閣府が17年度にまとめた調査では、事業継続計画(BCP)を策定済みの企業のうち洪水を想定した計画があるのは3割にとどまった。

 菅義偉官房長官は9日の会見で「ここ数年、従来とは桁違いの豪雨で被害が繰り返し発生している。被害のリスクを減らすためどのようなことができるか改めて検討する必要がある」と述べ、大雨特別警報の発表方法を見直す考えを表明した。

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