2018年11月15日(木)

ウェザーニューズ、西日本豪雨被害をビッグデータ分析

科学&新技術
BP速報
2018/7/9 18:00
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日経クロステック

ウェザーニューズは2018年7月8日、同6~8日にかけて西日本を中心に続いた記録的な大雨の浸水被害状況をビッグデータ解析で明らかにした。今回の豪雨は、西は九州から東は中部まで非常に広い範囲で、しかも長時間にわたり、同時多発的に発生しているのが特徴だ。そのため局所的な情報は数多く出ているものの、西日本全体の被害状況、特に広範囲の浸水被害レベルが7日時点では詳しく分かっていなかった。

そこでウェザーニューズは浸水に絞って西日本全域の被害状況を見える化するため、7日に同社のサービス利用者に対して緊急アンケートを実施。同日夜までに約1万件の回答を得た。これにより、記録的な大雨の「一番水位が高かったときの浸水状況」を広域で掌握することに成功。8日には「浸水被害状況マップ」にまとめて、最初の結果を公表した。

西日本全域の「浸水被害状況マップ」。一番水位が高かったときの浸水状況を、全国各地にいる一般の人たちから直感的な測定で報告してもらって作成した(出所:ウェザーニューズ)

西日本全域の「浸水被害状況マップ」。一番水位が高かったときの浸水状況を、全国各地にいる一般の人たちから直感的な測定で報告してもらって作成した(出所:ウェザーニューズ)

すると「腰以上の高さ」まで浸水したという深刻な被害(図の紫色の丸印)が、九州北部から瀬戸内海沿岸、そして近畿辺りまで、ほぼ一直線に広がっている実態が初めて判明した。

特に大雨で河川が氾濫した広島、岡山、愛媛の3県は「腰以上の高さ」の浸水が際立っている。通常は雨が少なく晴れの日が多い瀬戸内地域で、腰以上の高さの浸水という大きな被害が広がった。広島から岡山にかけて浸水が特にひどい地域では、24時間や48時間の雨量が観測史上最高を更新した地点が多数発生している。それが大規模な浸水につながった。

本来、このように広範囲に及ぶ浸水被害状況をつかむには、観測機器の設置や観測員の派遣が必要だ。しかし、すぐには対応できない。今回のように被害が広範囲に及ぶと事実上、機器や専門家だけに頼る観測は不可能に近い。ウェザーニューズは日ごろから、天気に関心が高い人たちの人的ネットワークを構築している。観測機器だけでなく、人海戦術を併用した情報収集を活用した。

アンケートの回答者は天気の専門家ではないし、水位を正確に測定できるわけでもない。そこでアンケートでは「腰以上の高さ」「ひざ以上の高さ」「足首以上の高さ」「大きな水たまり程度」「浸水なし」「わからない」の6つの選択肢から、「現在の浸水状況」と「一番高いときで、どの高さまで浸水したか」だけを選択式で回答してもらった。その結果をスマートフォンの位置情報と共に送ってもらう。

最終的に、ウェザーニューズが回答データから異常値などを取り除き、「紫色:腰以上の高さ」「赤色:ひざ以上の高さ」「黄色:足首以上の高さ」「青色:大きな水たまり程度」の4つを浸水被害状況マップにプロットした。天気について専門的な知識がなくても、人の感覚的な「感測」を使って約1万件の浸水データを集め、広範囲の浸水状況を1日足らずで集約できた。

(日経 xTECH 川又英紀)

[日経 xTECH 2018年7月8日掲載]

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