2019年8月22日(木)

「4年前より怖い」 泥流に沈んだ町、懸命の救助

2018/7/8 0:08
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夜が明けると、町が泥流に沈んでいた。西日本を中心とした記録ずくめの連日の豪雨は7日朝にかけ、同時多発的に甚大な被害をもたらした。自宅が土砂に破壊され、妻子が巻き込まれた男性は泣き叫んだ。4年前、多数の犠牲者が出た土砂災害を経験した広島市民は「4年前より怖かった」と青ざめた。ぬかるみの中、孤立した住民の懸命な救助活動が続いた。

■広島

広島県内で最大規模の人的被害が出た東広島市。住宅5棟が土砂被害にあった同市河内町中河内の現場では、土砂に完全にのまれ跡形もない家や、衝撃で真っ二つに割れた家が。雨が降る中、消防団員ら約30人が重機やスコップで土砂を掘り起こし、取り残された人がいないか捜索を続けた。

広島市安佐北区で土砂を片付ける住民ら(7日午後)=共同

広島市安佐北区で土砂を片付ける住民ら(7日午後)=共同

広島市安芸区の団地には、崩れた裏山の土砂が流入、周囲の道路が濁流にのまれ、6日夜から住民ら約100人が孤立した。

「水とともに石や木が車にたたきつけられ、死ぬんじゃないかと思った」。車で帰宅中に土砂崩れに巻き込まれ20~30メートル流された後、団地に取り残された女性(47)は7日午後4時ごろ救助隊員に助けられ、「やっと帰れる」と疲れ切った表情を見せた。

2014年8月に土砂災害にあった広島市安佐北区では今回も複数の死者が出た。住民の男性(71)は「4年前より激しい雨で、どうなるのかと怖かった」とおびえた様子だった。

■愛媛

松山市沖の離島、怒和島では裏山が崩れ住宅を直撃、小学3年と1年の姉妹と30代の母親が巻き込まれた。倒壊した住宅にブルーシートがかけられ、3人が運び出されると、父親とみられる男性の泣き叫ぶ声が響いた。

小学生の姉妹と母親が土砂にのまれた現場(7日午前、松山市の怒和島)=共同

小学生の姉妹と母親が土砂にのまれた現場(7日午前、松山市の怒和島)=共同

近所の女性によると、母親は元看護師で、いつも明るく気配りを欠かさない人だった。母親によく似た長女はいつも、登下校時に次女の手をしっかり握っていたという。親交のあった40代の女性は「とても仲のいい家族だった。こんなことになるなんて」と涙ぐんだ。

■岡山

岡山県倉敷市真備町周辺は広範囲で水に漬かった。住民によると、川辺地区では6日夜まで目立った被害はなかったが、7日朝になって急に水が流れ込み、建物の1階部分があっという間に浸水。水位は上昇を続け、救助を求めて建物の2階などから手やタオルを振る人もいた。

大雨で冠水した岡山県倉敷市真備町の住宅街(7日午後、小型無人機から)=共同

大雨で冠水した岡山県倉敷市真備町の住宅街(7日午後、小型無人機から)=共同

冠水した岡山県倉敷市真備町で、屋根の上で救出を待つ人たち(7日午後)=共同通信社ヘリから

冠水した岡山県倉敷市真備町で、屋根の上で救出を待つ人たち(7日午後)=共同通信社ヘリから

現場では消防の救助が間に合わず、倉敷市内の男性らが自前の水上バイクを操縦して救助活動を展開。1~2人ずつを乗せて何度も往復した。救助していた男性の1人は「朝から10人くらい助けた。老人や子供から避難させているが、人手が追いつかない」と焦っていた。〔共同〕

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