2018年9月21日(金)

化粧や家事サボりたい 「のび太女子」増える

消費を斬る
サービス・食品
2018/7/10 6:30
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 顔に貼るだけで洗顔できるマスクといった、サボることを前向きに捉えた日用品が相次ぎ登場している。仕事や家事に忙しいため、面倒なことに時間をかけたくないという女性が増えていることが背景にある。「サボれる」は女性の心をつかむ新たな消費のキーワードとなりそうだ。

■肌の手入れサボって朝食を準備

サボった時間に朝食を食べたり歯を磨いたりできる

サボった時間に朝食を食べたり歯を磨いたりできる

 「忙しい朝に顔にマスクを貼るだけで、肌の手入れができる」。大学院生の吉田江里さん(26)は美容マスク「サボリーノ 目ざまシート」が手放せない。サボリーノは「起きてからたった60秒で肌ケアが完成」とうたう朝専用の美容マスク。起床後に顔に貼り付けるだけで洗顔やスキンケア、化粧下地ができる。顔に貼り付けたまま、歯を磨いたり身支度したりすることも可能だ。

 朝は洗顔やスキンケアといった肌の手入れで10分程度かかっていたという吉田さん。サボリーノを使うようになった約1年前から、肌の手入れをサボった時間を「朝食の準備に回せるようになった」と話す。

 サボリーノはスタイリングライフ・ホールディングス傘下のBCLカンパニー(東京・新宿)が手掛けた。20~30代の女性社員5人が自分たちが欲しいものを作ろうと立ち上げたプロジェクトから誕生した。

常盤薬品工業はサボりたい女性をターゲットしたマスクを売り出した

常盤薬品工業はサボりたい女性をターゲットしたマスクを売り出した

 社内調査などで「朝の手入れが本当に面倒」「1分でも多く寝ていたい」といった女性の回答が多く、サボりたいニーズがあることがわかった。企画本部の斉藤久美子課長は「女性の誰もがサボりたいという気持ちを持っている。その気持ちにポジティブに寄り添った」と話す。

 こうした女性のサボりたいニーズをとらえた商品が相次いでいる。ノエビアグループ傘下の常盤薬品工業も2016年8月から、朝の忙しい時間に楽をしたい女性をターゲットにした「ズボラボ 朝用ふき取り化粧水シート」を販売。ベッドで寝たまま洗顔などができることをアピールしている。

 1品で複数の機能を持つオールインワン化粧品は2000年以降に商品が増加し、ひとつの市場を形成している。かつては化粧などで手を抜いた「時短」に後ろめたさを覚える女性もいた。だが最近は、時短消費を前向きにとらえて、精神的なゆとりを求める女性が目立つ。

■手を抜くことへの抵抗感薄まる

ライオンは嫌な思いをせずに、排水口をキレイにできることを全面に打ち出した。

ライオンは嫌な思いをせずに、排水口をキレイにできることを全面に打ち出した。

 博報堂生活総合研究所の十河瑠璃研究員は「共働き世帯が増える一方で、女性の家事負担は減っていない。家事と仕事を両立するためにも、効率的に掃除や美容に手を抜くことに抵抗感がなくなってきている」と分析する。

 嫌な家事をひとつ減らせて気持ちが楽になった――。30~40代の子育てママから支持されるのは、台所の排水口のぬめりを簡単に落とせるライオンの「ルックプラス清潔リセット 排水口まるごとクリーナーキッチン用」だ。

 「がんばらなくてもキレイ」をコンセプトに設定し、「掃除に取りかかる気持ちが軽くなるように意味を込めた」(ヘルス&ホームケア事業本部の山口瑠奈副主任部員)。3月の発売後、売り上げは計画を上回る水準で推移している。

 時には昼寝でもしてサボりたい――。「のび太」のような気持ちになる女性たちを応援する“秘密道具”は、食品など幅広い消費財にも広がりそうだ。

(柴田奈々)

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