2018年10月18日(木)

maneo、監視委が処分勧告 流用額10億円以上

2018/7/6 18:43
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証券取引等監視委員会は6日、ネット経由で融資を仲介するソーシャルレンディング最大手のmaneoマーケット(東京・千代田)を行政処分するよう金融庁に勧告した。募集時の説明と異なる目的に流用されたのを見過ごすなど、管理体制に重大な不備があったため。流用額は少なくとも10億円以上で、焦げ付くおそれがあるという。

maneoマーケットのホームページ画面

インターネットを使う金融サービスは新たな担い手が登場している。ただ仮想通貨交換業者と同様、急激な市場の拡大に体制整備が追いついておらず、ずさんな運営実態が浮き彫りになった。

maneoはファンド運営業者から依頼を受け、ネット上で投資資金を募る。ホームページ上に事業の概略や利回りなどの条件を載せ、投資家を集めて業者に仲介する役割を担っている。監視委が問題視したのは「グリーンインフラレンディング」という運営業者による多額の不正流用を見過ごしていたことだ。

maneoはグリーン社の依頼で、北海道での太陽光発電やスリランカでの水力発電事業への融資名目で年利11~14%で投資家を募集。3084人から約130億円を集め同社に仲介した。だが実際には同社はグループ会社の増資など事前の説明と異なる目的に集めた資金を流用していた。

本来はmaneoがグリーン社の資金管理の実態や資金使途を把握する義務を負う。体制が不十分だったmaneoは6日、「業務運営体制のより一層の強化に取り組む」とのコメントを発表した。グリーン社は自己資金と投資家から集めたお金を分けて管理しておらず、焦げ付きが発生する可能性がある。

ソーシャルレンディングは高い利回りとネット上で資金調達できる便利さから、急速に普及してきた。富士キメラ総研によると2016年に650億円だった融資額は17年に1330億円に倍増。22年には9000億円規模に膨らむと試算している。ただ最大手のmaneo以外にも、すでに3社が業務改善命令や業務停止命令を受けている構図は仮想通貨交換業者と重なる。

今回、監視委の処分勧告の対象はmaneoだが、これは実際に資金流用したグリーン社の先にいるグループ企業に検査・監督権限が及ばないことの裏返しでもある。多額の資金を簡単に集められるのに、中間に複数の会社を絡ませれば規制の網をすり抜けることができる。

フィンテックは伝統的な金融機関以外のプレーヤーが入ることで、安くて利便性の高いサービスにつなげることをめざしている。一方で金融機関であるという自覚がないままに多額の資金を集めたり、預かったりしている例が多い。とくに内部管理体制の構築には多くの課題を抱えている。

フィンテックの普及に新興勢力の登場は欠かせないが、急速な拡大の裏で、ひずみも大きくなっている。

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