2018年11月20日(火)

芝浦工大、自動運転に向けLiDARの認識範囲拡大

自動運転
BP速報
2018/7/6 20:00
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芝浦工業大学システム理工学部機械制御システム学科の伊東敏夫教授は、「確率共鳴」を使って、遠距離・広範囲にある物体を認識する技術を開発したと2018年7月3日に発表した。確率共鳴とは、信号にノイズを加えることで、ある確率の下で信号が強まり、検知能力が向上する現象をいう。例えば、ザリガニが外敵や水流の動きを感知する際に用いるとされる。伊東氏は、今回の技術によって高性能センサー「LiDAR(ライダー)」の認識精度が向上し、運転支援システムや自動運転技術の発展に寄与できるとしている。

自動運転技術の要素として、周辺物体を認識する「外界認識」は重要である。外界認識でLiDARを使用する方法では、遠距離になるほど計測した点の分布率が低くなり、正確なクラスターの作成が困難になる。そこで伊東氏は、確率共鳴に着目。最適なノイズを発生させることで物体を識別可能な距離を延ばす技術を開発した。

「確率共鳴」を用いた手法の提案。認識が難しい点群にノイズを加えて認識性能を向上させる(出所:芝浦工業大学)

「確率共鳴」を用いた手法の提案。認識が難しい点群にノイズを加えて認識性能を向上させる(出所:芝浦工業大学)

この新技術により、LiDARの遠距離認識性能の改良や、遠距離での反射点群密度の向上が可能になるという。実験では、計測地点から20m以上80m以内の歩行者、二輪車、車両に対して認識性能の改善を確認したとする。

実用化に向けて開発した自律移動モビリティー(出所:芝浦工業大学)

実用化に向けて開発した自律移動モビリティー(出所:芝浦工業大学)

今回の技術は自動車だけでなく、自動運転ドローンや、自律移動ロボットの外界センサーへの応用できるとする。確率共鳴の応用に着目すると、LiDAR以外の画像処理や、レーダーへの応用展開も可能だという。まずは実用化の第一歩として、シニアカーに各種装置を後づけした自律移動モビリティーを開発した。今後も複数の研究室との共同プロジェクトとして、20年の完成を目標に研究を進めるとしている。

(ライター 森元美稀)

[日経 xTECH 2018年7月5日掲載]

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