【ベルリン=石川潤】ドイツの連立与党は5日、移民抑制策で合意した。ほかの欧州連合(EU)加盟国で登録済みの難民らがオーストリア国境からドイツに入ろうとした場合、登録した国に迅速に送り返すことが柱となる。当初想定していた国境に一時収容施設を設置する案は見送り、既存の警察施設で手続きをすることにした。
難民抑制策はメルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)と、移民反対派のゼーホーファー内相が率いるキリスト教社会同盟(CSU)が2日に合意。もう一つの連立与党であるドイツ社会民主党(SPD)が了承するかが焦点だった。
難民らが長期間拘束されることを懸念するSPDに配慮し、収容施設の設置は断念した。今後はイタリアやオーストリアといったほかの関係国の同意をどう取り付けていくかが課題になる。