2018年9月23日(日)

気色ばむメルケル首相 難民でオルバン氏と論戦

ヨーロッパ
2018/7/6 1:11
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 【ベルリン=石川潤】常に冷静さを失わないドイツのメルケル首相が珍しく気色ばんだ。訪独したハンガリーのオルバン首相との5日の記者会見で、難民問題で激しくぶつかり合った場面だ。メルケル氏が「ハンガリーはまったく責任を感じていない」と非難すると、オルバン氏は「不当だ」と真っ向から反論。欧州の難民政策の難しさを浮かび上がらせた。

記者会見するドイツのメルケル首相(右)とハンガリーのオルバン首相(5日、ベルリン)=AP

記者会見するドイツのメルケル首相(右)とハンガリーのオルバン首相(5日、ベルリン)=AP

 両者は5日の会談で、欧州連合(EU)の国境管理の強化で一致した。反移民を掲げて強権的な政治を進めるオルバン氏は、これまでもメルケル氏を繰り返し批判してきた。ハンガリーで登録された難民がドイツに移動してきたら送り返せるようにする協定の締結をメルケル氏が求めたが、オルバン氏は拒否した。

 オルバン氏は「ドイツで我々が連帯に欠けるとしばしば非難されるのは不当だ」と指摘。ハンガリーが南部の国境で難民の流入を防いでいることが、ドイツの利益になっていると主張した。

 メルケル氏は「欧州の基本的な価値観である人道の問題であることを忘れてはならない」と述べたが、オルバン氏は「人道的であることが流入の誘因になってはいけない」と切り返した。国境を閉じ、問題を引き起こしそうな人々を欧州に入れるべきでないとした。

 欧州では2015年に、ハンガリーからオーストリアを通ってドイツに流れ込む難民らが急増した。ハンガリーでは、メルケル氏が難民らを受け入れたことがさらに大量の流入を招いたとの見方が根強い。ハンガリーはイタリアなどに上陸した難民をEU加盟国が分担して受け入れることにも反対している。

 ドイツも大量流入による混乱を受けて、寛容な難民政策を修正しつつある。メルケル氏の理想は厳しい試練を迎えている。

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