2018年9月24日(月)

ボーイング、小型機買収 エンブラエルと新会社

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2018/7/5 23:10
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 【サンパウロ=外山尚之】米ボーイングはブラジルのエンブラエルの小型旅客機事業を買収すると発表した。エンブラエルの小型旅客機部門を切り離した新会社を設立し、ボーイングが80%を出資する。世界最大の航空機連合を形成して、昨年提携した欧州エアバスとカナダのボンバルディアの陣営に対抗する。

 ボーイングは新会社に38億ドル(約4200億円)を出資する。今回の統合により、2020年までに税引き前利益段階で年間1億5000万ドルのコスト削減を実現するという。新会社の本社はブラジルに置く。

 ボーイングとエンブラエルの買収交渉は昨年12月に明らかになった。買収の対象になるのはエンブラエルが製造する70~90席級の小型旅客機事業だ。当初、ボーイングは買収によるエンブラエルの子会社化を目指していたが、同社の重要事項に拒否権を行使できる「黄金株」を保有するブラジル政府の反対もあり、軍用機事業をエンブラエルに残すこととなった。

 ボーイングは自社で持たない100席未満の旅客機事業を取り込むことで超大型機まで一貫したラインアップが整う。

 声明でボーイングのミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)は「今回の戦略的パートナーシップにより、我々は両社にとって重要な価値を創出するための理想的なポジションにつく」と発表。エンブラエルのソウザCEOは「潜在的な販売や生産、雇用、収入を増やし、顧客や株主、従業員に多くの価値を加えることができる」とした。

 今回、ボーイングがエンブラエルの旅客機事業を傘下に収めたことで、業界の合従連衡は最終局面に入った。ボーイングの競合であるエアバスは1日、カナダの小型旅客機大手ボンバルディアの100~150人乗りの小型機「Cシリーズ」の事業会社に50.01%を出資。国や大陸をまたぎ、大型機から小型機まで一貫して手掛ける態勢を整えた。

 世界的な格安航空会社(LCC)の普及により、中規模の都市間を結ぶ小型旅客機の需要は急増している。一方、単価が安い小型機は大型機に比べ利幅が薄く、開発コストの回収は容易ではない。ボンバルディアはカナダ政府の補助金に依存するなど、1社での事業運営は壁にぶつかっていた。

 今回、ボーイングとエアバスという「巨人」が小型旅客機の2強とそれぞれ連合を組んだことで、国産旅客機「MRJ」を開発中の三菱航空機は戦略転換を迫られる可能性がある。三菱航空機は二大連合に比べ規模で劣る上、同社はボーイングとアフターサービスで協力関係にある。

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