2018年7月22日(日)

フィットネスで女心にアタック アパレルのジュンが新店

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2018/7/6 7:00
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 アパレル大手がフィットネス事業に相次ぎ参入する。「ロペ」などのブランドを手掛けるジュン(東京・港)は10日、空手から想起した女性専用のスタジオをファッションの一番地、東京・原宿にオープンする。洋服で美しさや自己実現を提案してきたアパレル大手は今、外面だけでなく体の中からの美の実現をアピールし、女性の取り込みを図っている。

ジュンは東京・原宿に武道を取り入れたフィットネススタジオを開く

スタジオではジュンが扱うスポーツ衣料品を販売する

 JR原宿駅から徒歩10分。3月開業した「原宿ゼロゲート」の4階に、ジュンはフィットネススタジオ「B.I.F BY NERGY(ビーアイエフ・バイ・ナージー・ハラジュク)」を設ける。スタジオは淡いピンクを基調としており、面積は約200平方メートル。シャワー室や更衣室も用意し、女性が運動しやすい環境を整えた。

 運動のテーマは日本の伝統である武道。呼吸や姿勢を整え、精神を統一する特徴が女性から支持を集めやすいと判断した。2020年に開催される東京五輪で公式種目として認定されたことも追い風とみる。

 5日に日本経済新聞社の取材に応じたジュンの佐々木進社長は「これまで西洋化された日本文化はフェイク(嘘)っぽかった。だが、今はそのフェイクっぽさが分かりすいとして受け入れられている」と指摘する。スタジオではエンタメ性と伝統的な空手が持つ良さのバランスを保つよう意識したという。

 運動プログラム内容は空手指導者、宇佐美里香さんの意見も取り入れ開発した。武道で重要視される黙想(もくそう)や礼をプログラムの前後に採用。空手経験者のインストラクターから基本の立ち方や型を習う。

 だが、伝統的な空手のスタイルとは異なり、レッスン中に室内の照明を赤や青など照明を変える。独自の音楽も流してエンターテインメント性も高めた。

 ジュンがフィットネスに力を入れるのは今回が初めてではない。実は1980年代に、かつて文化人などが集まった「原宿セントラルアパート」にスタジオを構え、エアロビクスを日本に広めた実績がある。ファッションとフィットネスとの距離の近さは実証済みだ。

 今回のスタジオでも、両者の融合を狙う。スタジオは同社が運営するライフスタイルブランド「ナージー」の派生業態と位置づける。利用者が着用する胴着も自社製。汗を吸収しやすい薄手の素材を採用し、背中や胸元にはピンクのブランドロゴなどをあしらう。胴着の中にスポーツブラやレギンスを着用するなど新たな装いも提案していく。将来は出店を増やす計画で、海外展開も視野に入れる。

 ジュンの売上高の約9割は「ファッション」事業が占めている。だが今後は残りの大半を占める「フード」と新規事業の「フィットネス」を3つの軸と位置づけ、「ファッション」で5割、残りの半分を「フード」や「フィットネス」とする考えだ。

 佐々木社長の持論は「人々の精神を高揚させるのがファッションの役割だとすれば、飲食や体のメンテナンスも精神の高揚につながる傾向が高まっており、これらもファッションといえる」。アパレル不況といわれるなか、女性たちの自己実現を食と運動でも満たしていくことを新たな成長の柱に据える。

 他のアパレルも動く。17年にはTSIホールディングスが「ゴールドジム」の施設内にフィットネスジムを開設。セレクトショップのベイクルーズ(東京・渋谷)も米国で人気のエクササイズ「CARDIO BARRE(カーディオ・バー)」を開いている。

 日本生産性本部が発行する「レジャー白書2017」によれば、16年のフィットネスクラブの市場規模は4480億円と過去最高だった。理想の体形を手に入れるために、自ら体を動かして体形を変えることに投資する傾向は今後も高まりそうだ。

(高橋彩)

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