2018年9月25日(火)

巨大業界再編で 下位企業も新たな参入機会広がる

環境エネ・素材
2018/7/5 19:06
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 産業ガス世界5位の大陽日酸が約6400億円を投じて欧州市場に本格進出する。化学産業以外でも業界のトップ企業による巨大再編が加速しており、各国の独占禁止法の抵触を避けるため、事業売却を余儀なくされるケースが増えている。規模で劣る下位企業にとっては新たな地域での参入チャンスが広がっている。

 買収や統合などで市場の寡占化が進む場合、公正な競争を確保するため、規制当局が一定の事業売却を条件とすることがある。特に大型再編では、中国など各国当局が存在感を示しており、数千億円の資産規模を持つ事業を巡り、「陣取り合戦」が繰り広げられる事例が増えている。

 米化学大手デュポンとダウ・ケミカルは統合実現のため、農薬事業の一部を売却した。農薬などの市場で寡占を招き、新製品の開発などを阻害する懸念があるとして、特に欧州独禁当局などが巨大統合に懸念を示していたからだ。

 独バイエルによる種子大手の米モンサントの買収では、米司法省が買収承認の条件として90億ドル相当の資産売却を課した。バイエルは条件をクリアするために、独BASFに種子事業などを売却することで合意。今年5月に米司法省から条件付きで承認を得ている。

 グローバルな業界再編は日本勢にも恩恵がある。アサヒグループホールディングスは17年までにビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブから欧州事業を合計1兆2000億円で買収した。英国の旧SABミラーの買収に伴いインベブが独禁法の問題を乗り越えるために売りに出たからだ。

 こうしたケースでは売却対象が優良資産であることが多く、入札により実態よりも高値で売却されがちだ。大陽日酸の今回の巨額買収も業界内には「高値づかみ」との見方もある。慣れない新市場で持続的に収益を確保することは容易ではなく、買収後の戦略こそが重要になる。

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