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ケーン、得点王へ快走 サッカーの母国の期待背に

サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で現在、得点王争いのトップに立つのがイングランド代表のハリー・ケーンだ。W杯でイングランドの選手が得点王になったのは1986年メキシコ大会のゲーリー・リネカーが最後。ケーンがゴールを積めば積むほど、サッカーの母国は52年ぶりの栄冠に近づくことにもなる。

1次リーグ3試合と決勝トーナメント1回戦の計4試合でケーンが挙げた6得点はかなりのハイペースだ。10年南アフリカ大会は5得点でフォルラン(ウルグアイ)、ミュラー(ドイツ)、スナイデル(オランダ)、ビジャ(スペイン)がタイトルを分け合い、14年ブラジル大会のロドリゲス(コロンビア)は6得点で獲得した。

主将の大役を任されているが、まだ24歳。W杯初出場でもある。今大会の活躍ぶりは、そんな重荷をまったく感じさせない。初っぱなのチュニジア戦で先制点と追加タイムの決勝点をマークしてすかさず波に乗った。

続くパナマ戦はハットトリックを達成。イングランド代表がW杯でこの記録をマークしたのは66年大会のジェフ・ハースト、86年メキシコ大会のリネカーに次いで3人目という快挙だった。

ハットトリックの中身は2本のPKと、味方のシュートが足に当たって勝手にゴールインしたもの。ここまではツキも味方している。ベスト8を懸けたコロンビア戦のゴールもPKだった。

6点中3点がPKといっても、おこぼれにあずかっているわけではない。うち2本は自身が反則されて獲得している。

今大会のイングランドはセットプレーに磨きを相当かけており、チームの9点中4点がFKやCKから。相手はそのキーマンのケーンの高さ(身長188センチ)をつぶそうと躍起になり、過剰な接触を図っては反則=PKを取られるという術中にはまっている。

ゴール前のこぼれ球にしっかり詰めたかと思うと、中盤に下りて組み立てにも参画する、実に引き出しの多いストライカー。コロンビアとのPK戦を制し、12年ぶりの準々決勝進出を果たした後は「我々の団結と個性を示せた。まだ先は長いけれど、この勝利はかつてない信念を与えてくれる」と、チームの快走に自身の充実を重ねるように話していた。

(モスクワ=武智幸徳)

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