2018年9月26日(水)

次世代農家の相棒に「ジャパン」、井関農機が刷新

コラム(ビジネス)
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2018/7/5 12:00
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 井関農機は5日、全面刷新したコンバインの旗艦モデルを熊本県益城町の工場から初出荷した。脱穀性能や耐久性など本体の性能を高めたのにくわえ、ICT(情報通信技術)を活用する先端技術を随所に組み込んだ。農業人口の減少や農地集約が進み、機械化による作業の効率化が欠かせない。最新技術を取り入れた農機を投入し、農業の人手不足に対応する。

熊本県益城町の工場で出荷式を開いた

 新型機は「ジャパン」のブランド名で1995年から展開している旗艦モデルの最新機種。井関農機の木下栄一郎社長は5日の出荷式で「農業の大規模化に伴う担い手農家のニーズに応えたい」と述べた。

 強力な新型エンジンを搭載して高負荷な作業をこなせるように改良。茎から穀類を取り外す脱穀作業に用いる機構の材質や形状を見直し、耐久性や作業精度を高めた。価格は税込み約1380万~約1708万円で、12月には出力を一段と高めた機種も追加する。

 ここまでなら型どおりのモデルチェンジだが、今回はICTを活用した作業効率の向上に力点を置いたのが特徴だ。収穫しながら収穫量や水分などを記録可能で、乾燥作業などに活用できるという。農家の省力化にどこまで貢献できるかで農機メーカーの熱意と手腕が試されている。

 井関は今春、農業支援システムのウォーターセル(新潟市)と組み、両社のサービスを連携して農機を使った耕作履歴の管理の利便性を高めた。7月には機械の位置情報や稼働情報を用いて機械のメンテナンスや盗難防止につなげるサービス「ISEKIリモート」を開始。これらのサービスとも連動させ、耕地面積あたりの収穫効率を高めたり、作業にかかる人手を減らす効果を見込む。

 油圧ショベルやブルドーザーといった建設機械では、設計図面に従って機械を半自動制御や、土木建設業者によるICTの活用が進んでいる。農業の現場でも高齢化や人手不足が急激に進み、担い手農家への集約で農業法人による耕作へのシフトという事情も農機のICT化を進めている。

 農機メーカーの間でも、井関農機や業界最大手のクボタ、ヤンマーホールディングスなどが耕地を自動走行する「ロボットトラクター」など自動運転技術を相次ぎ開発している。ただ、これらの自動運転農機はまず耕地の外周部分を作業者が主導で刈り取ったり、複数の農機が協調運転したりする方式が大半だ。

 日本の農場は北海道など一部を除いて比較的狭く、道路や人家などに囲まれた複雑な形状も多い。自動運転のメリットはなかなか実感しづらいのが現状でもある。無人の全自動機に比べ華やかさには欠けるものの、まずはICTを使った省人化農機が次世代農家にとっての相棒となりそうだ。(企業報道部 牛山知也)

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