2018年9月21日(金)

英で重体2人「神経剤に接触」 暗殺未遂事件と同物質

ヨーロッパ
2018/7/5 9:29
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 【ロンドン=篠崎健太】英南部エームズベリーの住宅で40代の英国人男女2人が意識不明の重体で発見された事件で、英警察は4日夜(日本時間5日未明)、2人は旧ソ連が開発した神経剤「ノビチョク」に接触していたと発表した。3月に英南部で起きた元ロシア情報機関員らへの暗殺未遂事件に使われたのと同じ物質だ。関連の有無や背景は不明で、対テロ部門が捜査を進めている。

英警察は2人が旧ソ連が開発した神経剤「ノビチョク」に接触していたと発表した=AP

 被害者はいずれも英国籍で地元の男性(45)と女性(44)。6月30日に自宅で意識を失っているところを見つかり、病院に運ばれた。「未確認の物質」にさらされた疑いが浮上したため、英警察は物質のサンプルを軍の科学研究所に送り、原因の特定を急いでいた。

 エームズベリーは巨石遺跡群「ストーンヘンジ」に近い街で、3月に元ロシア情報機関員セルゲイ・スクリパリ氏と娘が神経剤で襲撃されたソールズベリーから北に10キロほどの距離にある。

 男女の知人という男性は英メディアに対し、2人は意識不明で見つかる前日の6月29日にこの男性と一緒にソールズベリーへ行き、元ロシア情報機関員が倒れた現場に近い場所などを訪れていたと証言した。警察は念のため、男女が訪れた複数の地点を立ち入り禁止にして調べている。

 男女はなお意識が戻らず、神経剤に接触した経緯は分かっていない。英警察のテロ捜査担当幹部は記者会見で「彼らが狙われたことを示す情報や証拠はない」と述べた。100人規模の対テロ捜査官を投入し、3月の襲撃事件との関連について慎重に捜査する方針だ。

 英政府は事件を受け、テロなどの発生時に関係閣僚らが集まるCOBRA(コブラ)会議を5日に開き、情勢分析にあたる方針だ。同会議は4日も開かれた。

 ノビチョクは兵器級の神経剤。3月の襲撃事件を巡り英政府は、ロシアが同物質を使って元情報機関員の暗殺を企てたと断定。ロシア側は関与を否定し、欧米諸国とロシアが互いの外交官を大規模に国外追放する事態に発展した。

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