2018年9月20日(木)

中国、米半導体の販売差し止め 背景にハイテク摩擦

貿易摩擦
エレクトロニクス
中国・台湾
アジアBiz
2018/7/4 19:51
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 【台北=伊原健作、シリコンバレー=佐藤浩実】中国の裁判所が米半導体大手マイクロン・テクノロジーに対し、一部製品の生産・販売の差し止めを命じた。パソコンなど電子機器に使う半導体メモリーが対象で、実際に販売が止まると幅広い製品に影響が広がる。ハイテク分野を巡っては米中が覇権を激しく争っている。米国による対中追加関税の発動が6日に迫るなか、過熱する貿易摩擦への警戒が広がる。

マイクロンの半導体はパソコンなどに欠かせない

 台湾の半導体大手、聯華電子(UMC)は3日夜、特許侵害などを巡って係争中のマイクロンに対し、福州市中級人民法院が仮命令を出したと発表した。マイクロンは3日時点で「命令を受け取っておらずコメントはない」としている。

 UMCによると対象は約30品目。DRAMやNAND型フラッシュといったマイクロンの主力製品が含まれ、陝西省西安の工場と上海の営業拠点が対象となっている。DRAMは旧エルピーダメモリから引き継いだ広島工場でも生産しており、影響を受ける可能性がある。

 UMCは今年1月、マイクロンが中国で自社の特許を侵害したとして提訴。UMCによると、裁判所は今回、マイクロンによる特許侵害の可能性を認め、訴訟が終了するまで生産・販売の停止を求めたという。

 マイクロンの売上高のうち中国顧客向けは51%を占める。電子機器の受託製造サービス(EMS)が多く立地する中国は世界のIT(情報技術)機器の生産拠点になっており、マイクロンのメモリーが使えなくなると影響は甚大だ。特にDRAMはサーバー需要の高まりから品不足が続いており、需要家の代替調達は難航する可能性がある。

 中国当局は今回の件とは別に、マイクロンなどDRAM3社を独占禁止法違反の疑いで調査している。中国は国を挙げて半導体産業を育成しており、「海外勢と自国メーカーとの差が開かないようにしたいとの思惑も透ける」(アナリスト)との見方もある。

 米中両国は人工知能(AI)やあらゆるものがネットにつながる「IoT」など最先端分野で覇権争いを繰り広げている。UMCの発表について米メディアは米中の貿易摩擦が影響しているとの見立てを示した。

 株式市場も貿易摩擦の激化に警戒を強める。3日の米市場でマイクロンは6%安となったほか、半導体大手エヌビディアが2%安。日本では4日、半導体製造装置を手がける東京エレクトロンアドバンテストが4%安となるなど、半導体関連株が総崩れとなった。

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