国の剰余金9000億円 17年度決算、税収バブル期並み

2018/7/4 18:44
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財務省が4日発表した2017年度の国の一般会計決算によると、税収は58.8兆円とバブル期並みの高水準になった。16年度より3.3兆円増えた。使い道が決まっていない剰余金は9068億円。19年10月に予定する消費税率10%への引き上げが控えるなか、年末の予算編成にかけて政府・与党内で景気を下支えするための歳出圧力が強まる可能性がある。

17年度の税収総額は58兆7875億円だった。好調な企業業績を背景に、所得税、消費税、法人税の「基幹3税」がともに16年度の税収を上回った。内訳をみると、所得税収は1.3兆円増の18.9兆円、法人税収が1.7兆円増の12兆円、消費税収は0.3兆円増の17.5兆円だった。

見積もりより1兆円を上回る税収増を達成したものの、今後も税収増が続くかは見通せない。17年度の税収増は国外経済の好調さと輸出に頼る側面が大きいからだ。

財務省によると、17年度の輸出額は16年度より10.8%伸びて79.2兆円に達した。けん引役は米国向けの自動車や中国向けの半導体製造装置など。これらの業種は、足元で高まる米国発の貿易戦争のリスクの影響を受けやすく、輸出の先行きには不透明感もある。

所得税の増加に寄与した株式の配当や譲渡益による税収も、世界経済が不調になればはがれ落ちる可能性もある。

税収以外の歳入では、日銀の納付金などの税外収入が約6500億円あった。株式関連の収入の増加や国債利息の改善が後押し。歳出面では、使い残した歳出の不用額は約1.4兆円だった。

内訳は予備費が約2100億円、国債費で約1900億円、その他で約1兆円。景気回復で生活保護費などが余った。税収や税外収入の伸びを受け、発行を取りやめた国債は2兆円にのぼる。

今後は剰余金の使い道が焦点になる。剰余金は税収が想定より増えたり歳出が減ったりすれば伸び、財政法は2分の1以上を国債償還に充てると規定する。それ以外は補正予算の財源に使うケースが多い。19年には統一地方選や参院選を控え、年末の予算編成では消費増税に備えた反動減対策に財政出動を求める声が出ている。これとは別に、補正予算を組むよう促す意見も与党に強い。

17年度当初予算の一般会計の歳出総額は約97.5兆円。税収が過去2番目に多かった1991年度の59.8兆円に迫る高水準とはいえ、歳入の3割強を国債に頼るいびつな構図が続く。当時は赤字国債は発行していない。最近は赤字国債発行額が前年度を下回るが、日銀の低金利政策で利払い費を抑えられている現状に甘えていては財政再建はおぼつかない。

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