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アストロスケール、衛星運用へ自前アンテナ

小型衛星を活用して宇宙ごみ(デブリ)回収を目指すスタートアップのアストロスケール(シンガポール)が横浜市内に自社の衛星アンテナを設置し、4日報道陣に公開した。衛星の運用や観測データの通信が可能で、2019年末頃に打ち上げるデブリ回収の実証衛星との通信を担う。

「自前のアンテナで衛星のパフォーマンスを最大限に引き出したい」。岡田光信最高経営責任者(CEO)はこう語る。設置したアンテナは直径3.7メートル。衛星の運用に使うSバンドと大量のデータを宇宙から降ろすXバンドの2種類の電波で通信できる。

アストロスケールは、19年にデブリ回収技術を実証する衛星「ELSA-d(エルサd)」を打ち上げる予定だ。新設したアンテナは、この回収衛星の運用で活用する。

エルサdは2基の小型衛星を組み合わせたシステムだ。1基をデブリに見立てたターゲットにして先に宇宙空間に放ち、後から放つ1基がターゲットを捕捉して回収できるか探る。

デブリに見立てる衛星は超小型衛星開発のトップ企業、英サリー・サテライト・テクノロジーのものを活用する。回収衛星はアストロスケールが独自で開発した衛星で、デブリの後方からゆっくり近づき磁石を使って回収する。

アンテナは宇宙航空研究開発機構(JAXA)や大学などが持つものを借りることもできる。だが、アンテナにもそれぞれ癖のようなものがあるという。アンテナの向きを変える精密な制御には個体差もある。「通信こそが衛星と地上とをつなぐ唯一の担い手」(岡田CEO)として、精度や信頼性を上げるために自社のアンテナ所有にこだわった。

設置費用は1億円弱。スタートアップにとっては大型の投資だが、岡田CEOは「通信を最大限にしておくことが、宇宙を飛ぶ衛星の性能を担保することにつながる。投資するだけの価値はある」と話す。

世界には、太平洋を横切る衛星を運用する事業者も多い。その際、通信の拠点を日本に求める声もあるといい、衛星事業者向けにアンテナを貸し出すビジネスも検討する。同様のビジネスは、国内では世界でアンテナシェアリングを手掛けるスタートアップのインフォステラ(東京・渋谷)なども進めている。(矢野摂士)

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