2019年5月27日(月)

本間ゴルフ、中国傘下で復活 ウエア参入で中国開拓

2018/7/4 13:27
保存
共有
印刷
その他

香港上場のゴルフクラブ製造・販売大手の本間ゴルフは4日、ゴルフウエアの開発に本格参入すると発表した。プレー中の動作を安定させる高機能パンツなどを2019年1月から発売する。同社は技術力に定評がある名門だが、05年に経営破綻し中国資本の傘下で再生した。直近の4年間で売上高を7割増やした劉建国会長は、ウエア市場への参入でゴルフ人口の増加が見込める中国市場の開拓を狙う。

本間ゴルフは機能性やデザインを高め、ゴルフ場だけでなく普段でも着用できるウエアを開発

東京都内で同日開いた発表会の目玉は、機能性に優れたゴルフパンツだ。医療用のコルセットなどの素材を使った「スタビライザー」と呼ばれる体を補正する機能を内蔵。スイングを安定させる効果や疲労軽減をうたう。動体裁断と呼ばれ、プレー中の体の動きを妨げないような人間工学に基づいた技術を開発。機能の高さが最も表現しやすいパンツをアパレル強化の要に据える。

新しく投入するアパレルは機能性を高めたほか、街着として着られる3種類を用意した。パンツの価格帯では1万3千~2万8千円まで幅広くそろえる。本間ゴルフの顧客層は中高年が多いが、素材技術とデザイン性でイメージを一新し、女性や若者層に照準を当てる。

来日した本間ゴルフの劉会長は、日本経済新聞の取材で「アパレルの強化で、ゴルフになじみのない層も取り込みたい」と話した。発表会にはアパレルの開発で提携する伊藤忠商事の岡藤正広会長兼最高経営責任者(CEO)も参加。「道具だけでなくアパレルの世界展開も支援したい」と語った。

本間ゴルフは1959年の設立。山形県酒田市の自社工場で職人が高品質なゴルフ用具を生産する高級クラブの名門ブランドだった。

ゴルフ場への過剰投資などで経営が悪化し、05年に民事再生法の適用を申請。10年に家電メーカー、上海奔騰企業を経営する劉会長のファンドが買収した。

劉会長は直営店に依存した販売戦略を見直し、スポーツ用品店への商品供給に切り替えたほか、生産ラインの自動化など構造改革を主導。同社の18年3月期の売上高は262億円と4年前から7割増えた。

劉会長が見据えるのは成長が望める中国と米国市場だ。

売上高に占める日本の割合が5割。中国は2割、北米が4%にとどまる。中国は現状ではゴルフ場が足りていないが、健康的なイメージが浸透し、富裕層を中心に子供の習い事として関心が高まっている。将来は中国の割合を3割に伸ばす方針だ。劉会長は「中国のゴルフ人口は100万人に満たないといわれるが、ゴルフ人口は必ず伸びる」と語る。

成長を担うアパレル分野の売上高は約5%にとどまるが、早期に20%に引き上げたい考え。同業の欧米系ゴルフメーカーでは、アパレルの売上高が6割を超えている企業が多く、ブランドを高める点でもアパレル強化は欠かせない要素だ。

ゴルフ好きの中高年のブランドイメージから、機能性やファッション性の高いグローバルブランドへ。かつての日本の名門ブランドが変わる上で、アパレル分野の育成は第一歩となる。

(友部温、花井悠希)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報