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三セク鉄道5社の前期、2社が黒字転換

北関東3県の第三セクター鉄道5社の2018年3月期決算が出そろった。各社とも沿線人口の減少による定期収入の減少など厳しい経営環境が続く。一方、沿線の観光施設との連携やイベントの開催、外国人を含む観光客の取り込みで定期客の落ち込みをカバーしようとする動きも活発になっている。

5社のうち2社が黒字に転換した。ひたちなか海浜鉄道(茨城県ひたちなか市)は沿線の国営ひたち海浜公園で大型連休中にネモフィラが見ごろを迎えるなど輸送人員が4%増加。三セクとして開業した08年度以降で初の最終黒字を果たした。

鹿島臨海鉄道(茨城県大洗町)は過去に取得した有価証券の償還差益の計上などで5120万円の最終黒字に。ただ、通学客の減少に加え、大洗町が舞台のアニメ「ガールズ&パンツァー」の集客効果も前年度より弱まり輸送人員は3%減。貨物輸送量も減少し、売上高は2%減となった。

一方、野岩鉄道(栃木県日光市)、真岡鉄道(同県真岡市)、わたらせ渓谷鉄道(群馬県みどり市)は最終赤字。

鬼怒川温泉と会津高原を結ぶ野岩鉄道の輸送人員は3%増。浅草から会津まで同鉄道経由で直通する特急「リバティ」が昨年4月に運行開始。特急利用客が増え運輸収入は21%増えた。ただ、トンネル改修や変電所の更新など修繕工事の費用がかさみ、最終損益は218万円の赤字。今期の最終損益も前期とほぼ同額の赤字を見込む。

真岡鉄道の輸送人員は94万6000人で、通学利用が落ち込み2%減った。最終損益は68万円の赤字だった。

わたらせ渓谷鉄道(群馬県みどり市)の輸送人員は5%減った。17年5月の脱線事故で19日間運休した影響が大きい。少子化で通学定期の利用者も減少。長雨や台風で観光もふるわず、定期外の旅客数も減少した。脱線事故を受けて軌道整備や枕木の更新を集中実施。燃料費の増加もあり37万円の最終赤字となった。

各社は沿線人口の減少など厳しい経営環境に対応し、沿線外からの集客策を強化している。

ひたちなか海浜鉄道は国営ひたち海浜公園の利用客取り込みのほか、アクアワールド茨城県大洗水族館と連携した割引券の販売やロックコンサートなどイベント時の利用増に向けた周知・PRを強化する。

鹿島臨海鉄道はガルパンファンの取り込みを継続し、関連商品やイベントなどを企画している。外国人観光客の利用を促すため多言語表示の導入も進める。

わたらせ渓谷鉄道はカラオケ列車やイルミネーションツアーといったイベントを積極的に企画。宝塚公演や大相撲観戦といった東京方面へのツアーも継続しファン層の拡大に取り組む。栃木県日光市との近さを生かして訪日観光客の誘客にも取り組む。

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