京都府と和歌山県の繊維関連3団体は3日、生地開発で連携すると発表した。和歌山でつくられた生地に、京都の企業が独特な模様や柄をプリントする。人口減や安価な海外製品の流入などを受けて繊維産業の経営環境は厳しい。産地が協力して独自ブランドを立ちあげて活性化を目指す。
京都プリント染色協同組合と紀州繊維工業協同組合、和歌山ニット商工業協同組合が連携する。3団体は開発した生地を独自ブランド「わこと」として販売する。衣料品やインテリア用品への活用を想定している。
和歌山の企業が得意とするニット生地やパイル生地に、京都の企業が京友禅などの伝統柄を現代風にアレンジしたプリントを施す。今秋に東京・原宿で展示会を開いて生地を販売する。2019年以降に米国や欧州でも発売する予定。高橋練染(京都市)の高橋聖介社長は「日本でしかつくれない素材で国内外の市場を開拓したい」と話す。