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キリンビバが見守り自販機 警察署と連携、防犯に

キリンビバレッジは3日、今夏から小型カメラを内蔵して見守り機能を付けた自動販売機の展開を始めると発表した。記録した映像は警察署に提供し、防犯などに役立ててもらう狙いだ。稼働率は悪化傾向にあるが、定価販売できる自販機は飲料メーカーにとって重要な収益源。立地が販売動向に直結する自販機ビジネスで付加価値を高める動きは加速しそうだ。

「まん延する犯罪に対して抑止、解決の2つの側面から協力したい」。キリンビバの自販機運営子会社、キリンビバレッジバリューベンダーの新井裕明執行役員は強調した。同社は3日に西新井警察署(東京・足立)と、防犯活動に関する覚書を締結。見守り自販機を年内に同署管内で30台設置する計画を打ち出した。

小型カメラは自販機の前面に並ぶ商品サンプル内に設置する。カメラが記録する自販機の前方の状況は西新井警察署が管理する。仮に周辺で犯罪が発生した場合は映像を捜査に活用してもらうという。

ただ、地域の治安維持への貢献だけではない。「通常の営業活動では縁がない場所でもビジネスチャンスが生まれてくる」と新井執行役員は話す。見守りで一定の成果が見込めれば、今まで以上に自社の自販機を設置できる余地は広がる。人の集まる公共施設などへの導入も進めやすくなる可能性がある。

自販機を取り巻く状況は厳しさを増している。飲料総研(東京・新宿)によると、2017年の自販機1台当たりの清涼飲料の販売量は、前年比1%減の223ケースだった。この5年で6%減っており、今後も減少は続く見通しだ。

背景には自販機の魅力が薄れていることがある。店舗数が拡大するコンビニエンスストアの利便性に押され、価格面では安価で商品を販売するスーパーなどに対抗できていない。販売が減少する中で売り上げが見込める場所を確保する必要性は高まっている。

自販機の高付加価値化も好立地を確保するための施策の一つだ。清涼飲料で国内首位の日本コカ・コーラは独自のアプリ「コーク・オン」を配信。連動した自販機で商品を購入すると特典を受けることができる仕組みを全国26万台で展開する。ダイドードリンコも自販機と連動したゲームの配信に力を入れる。

一方で、高付加価値化の流れのマイナス面を指摘する声もある。「機能を付けるにはコストがかかり、その分売り上げを増やさなければならない。ただ、売上高が上がっていないケースも多い」(飲料総研)。市場の厳しさが増すなか、利益との兼ね合いを図りながら、いかに陣取り合戦を制していくか。各社の知恵の見せどころとなりそうだ。(湯前宗太郎)

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