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元日経社員を告訴 社内情報漏洩の疑い

営業秘密にあたる社員約3千人分の賃金データなどを外部に漏洩させたとして、日本経済新聞社は3日までに、東京本社デジタル事業担当付の元社員(53)を不正競争防止法違反容疑で警視庁に告訴した。元社員が社内規定に反して日経の顧客情報を社外に持ち出していたことも判明した。日経は既に元社員を懲戒解雇している。

日経は元社員の不正行為について今年1月以降、弁護士、デジタルデータを解析・復元するデジタルフォレンジック専門会社と協力し、社内調査を進めてきた。元社員は大量のデータを持ち出していたが、顧客情報を第三者に漏洩させた形跡はなかった。

告訴状によると、元社員はデジタル販売局所属だった2012年10月、日経本社内で総務局員の業務用パソコンを分解してハードディスクを抜き取り、営業秘密にあたる社員約3千人分の生年月日、基準内賃金などを記録したデータを私用パソコンに転送。17年12月、同データなどを保存したUSBメモリーを月刊紙を発行する団体に郵送した。同団体は18年1月、運営するブログに一部を掲載した。

社内調査では、元社員は17年1月から18年3月までの間、業務上アクセス可能だった日経サービス会員情報(日経ID情報)や約3万6千人分の日経ヴェリタス読者情報のデータファイルをコピー。業務用パソコンから私用のメールアドレスに送信したり、クラウド上に複製、保存したりしていたケースも確認した。

顧客サービス本部所属だった14年2月には、約34万人分の電子版読者情報をひそかに持ち出して私用のUSBメモリーに保存し、社内調査のヒアリング開始直後の18年3月に全てのデータを削除した痕跡も見つかった。

読者の皆さまにおわびします

日本経済新聞社元社員の在職中の不正行為で読者の皆さまにご心配をおかけすることを深くおわびします。

当社は元社員、関係者のヒアリングや、元社員が持ち出したデータの保存先にしていたとみられる多数の記録媒体、メールアカウント、クラウドなどを対象にデジタルフォレンジックを実施しました。その結果、顧客情報が第三者に漏洩した事実は確認されませんでしたが、社内調査には限界があります。元社員が提出済みの記録媒体以外に営業秘密を保有していないかどうか、これ以上確認することができません。

新たなデータ漏洩を防ぐためにも強制捜査権を持つ警察に告訴し、さらなる事実関係の解明を捜査に委ねることとしました。

当社は捜査に全面的に協力するとともに、情報管理体制の見直しや社員教育を改めて徹底するなど再発防止に全力を挙げて取り組みます。

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