2018年11月17日(土)

メルケル氏、難民流入抑制で反対派と合意 求心力低下

2018/7/3 9:20
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【ベルリン=石川潤】難民・移民問題で閣内に対立を抱えていたドイツのメルケル政権が分裂の危機を回避した。メルケル首相と移民反対派のゼーホーファー内相が2日夜に会談し、難民らの流入抑制策で合意した。首相が譲歩しなければ辞任すると表明していたゼーホーファー氏は留任する。メルケル氏は会談後に「よい妥協点を見つけられた」と語った。

メルケル首相はひとまず政権崩壊の危機を回避した=AP

ドイツでは、難民らを国境で追い払うべきだと主張するゼーホーファー氏と、欧州連合(EU)全体で解決策を探るべきだとするメルケル氏が対立。内相が率いるキリスト教社会同盟(CSU)が連立離脱も辞さない姿勢をみせ、政権が大きく揺らいでいた。

両者は2日の会談で、すでにほかのEU加盟国に登録された難民らを収容するための施設をドイツとオーストリアの国境付近に設立することで合意した。施設に収容された難民らは登録された国(最初に入国した国)に直接、送り返されることになる。

ただ、難民らを送り返すには2カ国間協定を結ぶなど、原則として対象国の了解が必要になる。ゼーホーファー氏の注文通りにドイツへの難民らの流入を抑えながら、EU加盟国との協調は保たれるというのがメルケル氏の考えだ。

CSUは10月に地元バイエルン州の州議会選挙を控えている。極右政党への票の流出を防ぐためにも難民・移民問題に厳しい姿勢を示すことが欠かせないが、やりすぎれば穏健派の反発を招きかねない。メルケル氏のキリスト教民主同盟(CDU)との衝突に批判的な声が強まるなか、妥協を迫られた面もある。

今回の合意で政権崩壊の危機はひとまず回避されたが、メルケル氏の求心力の低下は明らかだ。CSUの要求に引きずられて難民らの流入抑制にかじを切ったことに、もう一つの連立与党であるドイツ社会民主党(SPD)は不満を募らせている。メルケル氏は今後も不安定な政権運営を強いられる可能性が高い。

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