2019年1月23日(水)

フィギュアの世界

フォローする

フィギュア変えた勝負師 羽生選手に国民栄誉賞

(1/2ページ)
2018/7/3 2:00
保存
共有
印刷
その他

 2月の平昌冬季五輪で66年ぶりにフィギュアスケート男子を連覇した羽生結弦(ANA)が2日、27人・団体目の国民栄誉賞受賞者となった。23歳での受賞は個人では最年少で、冬季スポーツでは初めてだ。(原真子)

平昌五輪フィギュアスケート男子フリーで演技する羽生選手(2月17日)=上間孝司撮影

平昌五輪フィギュアスケート男子フリーで演技する羽生選手(2月17日)=上間孝司撮影

「すべてを征服したいって思うんだよね。野球に関してだけは」。国民栄誉賞第1号、世界の本塁打王の王貞治さんから聞いたことがある。一番になった喜びすら譲りたくないから、そのための労は惜しまない。

このギラギラした欲こそアスリートの本能で、その勝負にかける姿は美しい。フィギュアスケートで、それをはっきり見せたのが羽生だろう。練習仲間のハビエル・フェルナンデス(スペイン、平昌五輪銅メダリスト)が語るように「結弦はいつも一番でいたい人」。これこそが66年ぶりの偉業を成し遂げた原動力だ。

常に上を目指す姿は、男子フィギュアも変えた。かつては「ルールの中でどう自己表現するか」により重きを置く人が多かったと思う。採点競技は審判によって傾向が変わり、自分でどうにもできない部分が多いからかもしれない。

一方、羽生は自己表現に加えて勝つことを明確に意識し、「ルールの中でどう戦うか」という視点を前面に出した。折しもシニアに上がった2010年、4回転ジャンプに挑戦しやすくなるよう、基礎点が上がり、回転不足の減点幅が小さくなるルール変更がなされた。新しいルールの浸透とともに、羽生はジャンプの質を上げていった。

他の選手も上に行くには、難度の高いジャンプに挑むしかない。各選手が試合で様々なジャンプを試し、互いの力量を見極め、シーズンで一番大きい大会に臨む。かつてないほど男子フィギュアはスリリングな競技になった。特に羽生が勝利にかける気迫は、一打逆転の場面で打順が回ってきた4番打者のようで、観客をゾクゾクさせるオーラがある。それは高い演技構成点にも反映された。

今季は再びルールが改正され、ジャンプの基礎点が下がった一方、ミスした際の減点幅は上がり、4回転を跳ぶリスクが上がった。「もともと難しいジャンプを跳ぶタイプじゃない。スピンも表現も(重視して)全部でプログラムを作るタイプ」と1年以上も前に話していた羽生。再び変わったルールの下でどう戦うか。新たなスタンダードをつくるのも彼なのだろう。

  • 1
  • 2
  • 次へ

日経電子版が2月末まで無料!いつでもキャンセルOK!
お申し込みは1/31まで

保存
共有
印刷
その他

フィギュアスケートコラム

電子版トップスポーツトップ

フィギュアの世界 一覧

フォローする
紀平はGPファイナルで、13年ぶりに日本選手として初出場初優勝を果たした=共同共同

 フィギュアスケートの世界では、五輪の翌シーズンに新しいスター選手や、大きなルール改正に伴ってこれまでにない戦い方をする選手が出てくることがある。今季はそれが顕著で、わかりやすい。紀平梨花(関大KFS …続き (1/14)

ジャンプにミスが出たが、高橋は高い演技構成点を獲得した=共同共同

 24日まで行われたフィギュアスケートの全日本選手権で男子2位に入った高橋大輔(関大KFSC)。2019年3月20~23日にさいたま市で開催される世界選手権の代表入りは辞退したものの、自分らしく4年ぶ …続き (2018/12/30)

フィンランド大会男子フリーで演技する羽生。新ルールでも変わらず強いだろう=共同共同

 フィギュアスケートもいよいよ本格的にシーズンが始まった。まだ、チャレンジャー(CH)シリーズとグランプリ(GP)シリーズ3大会が終わったばかりだが、ルールが大きく変わって「男子は慌ただしい」「女子は …続き (2018/11/8)

ハイライト・スポーツ

[PR]