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フィギュア変えた勝負師 羽生選手に国民栄誉賞

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2018/7/3 2:00
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 2月の平昌冬季五輪で66年ぶりにフィギュアスケート男子を連覇した羽生結弦(ANA)が2日、27人・団体目の国民栄誉賞受賞者となった。23歳での受賞は個人では最年少で、冬季スポーツでは初めてだ。(原真子)

平昌五輪フィギュアスケート男子フリーで演技する羽生選手(2月17日)=上間孝司撮影

平昌五輪フィギュアスケート男子フリーで演技する羽生選手(2月17日)=上間孝司撮影

「すべてを征服したいって思うんだよね。野球に関してだけは」。国民栄誉賞第1号、世界の本塁打王の王貞治さんから聞いたことがある。一番になった喜びすら譲りたくないから、そのための労は惜しまない。

このギラギラした欲こそアスリートの本能で、その勝負にかける姿は美しい。フィギュアスケートで、それをはっきり見せたのが羽生だろう。練習仲間のハビエル・フェルナンデス(スペイン、平昌五輪銅メダリスト)が語るように「結弦はいつも一番でいたい人」。これこそが66年ぶりの偉業を成し遂げた原動力だ。

常に上を目指す姿は、男子フィギュアも変えた。かつては「ルールの中でどう自己表現するか」により重きを置く人が多かったと思う。採点競技は審判によって傾向が変わり、自分でどうにもできない部分が多いからかもしれない。

一方、羽生は自己表現に加えて勝つことを明確に意識し、「ルールの中でどう戦うか」という視点を前面に出した。折しもシニアに上がった2010年、4回転ジャンプに挑戦しやすくなるよう、基礎点が上がり、回転不足の減点幅が小さくなるルール変更がなされた。新しいルールの浸透とともに、羽生はジャンプの質を上げていった。

他の選手も上に行くには、難度の高いジャンプに挑むしかない。各選手が試合で様々なジャンプを試し、互いの力量を見極め、シーズンで一番大きい大会に臨む。かつてないほど男子フィギュアはスリリングな競技になった。特に羽生が勝利にかける気迫は、一打逆転の場面で打順が回ってきた4番打者のようで、観客をゾクゾクさせるオーラがある。それは高い演技構成点にも反映された。

今季は再びルールが改正され、ジャンプの基礎点が下がった一方、ミスした際の減点幅は上がり、4回転を跳ぶリスクが上がった。「もともと難しいジャンプを跳ぶタイプじゃない。スピンも表現も(重視して)全部でプログラムを作るタイプ」と1年以上も前に話していた羽生。再び変わったルールの下でどう戦うか。新たなスタンダードをつくるのも彼なのだろう。

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