製造業の景況感2期連続で悪化 短観、非製造業は改善

2018/7/2 11:30
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日銀が2日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業で2四半期連続で悪化した。前回3月調査から3ポイント悪化し、プラス21だった。原油高による原材料費の上昇が影響した。一方、大企業非製造業は4期ぶりに改善した。国内需要は堅調だが、原油高や貿易摩擦懸念など海外を中心に景気の先行きに不透明感が出ている。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業を差し引いた値。大企業製造業の業況判断DIは2017年12月まで5四半期連続で改善していたが、前回調査で悪化に転じた。QUICKが集計した市場予想の中央値(プラス22)を1ポイント下回った。2四半期連続の悪化は12年12月以来で、業種別では16業種中10業種で悪化した。

日銀は「原材料高が続いているにもかかわらず、価格転嫁できていないとの声が多くの企業から聞かれた」(調査統計局)としている。原油高の影響が幅広い業種で出ている。石油・石炭製品はプラス31と前回調査から13ポイント悪化した。自動車はプラス15と7ポイント悪化、業務用機械はプラス21と5ポイント悪化、化学はプラス22と4ポイント悪化した。

電気機械は世界的なスマートフォン需要が一服し、4ポイント悪化のプラス20だった。改善したのは繊維、紙・パルプなどの4業種だった。

一方、大企業非製造業はプラス24と1ポイント改善した。インバウンド需要が好調な宿泊・飲食サービスがプラス11と8ポイント改善。運輸・郵便、卸売など幅広い業種で「需要が好調」(同)という。

ただ、中小企業を中心に人手不足による人件費上昇の影響が広がる。中小企業製造業の業況判断DIはプラス14と1ポイント悪化し、非製造業はプラス8と2ポイント悪化。いずれも8四半期ぶりの悪化だ。

企業が3カ月後の景況感を予想する先行きの業況判断DIは、大企業製造業がプラス21と横ばいを見込む。大企業非製造業はプラス21と3ポイント悪化する見通し。

市場の注目度が高い大企業製造業の18年度の想定為替レートは1ドル=107円26銭だった。7月2日午前の円相場は1ドル=110円台後半で推移しており、足元より3円超の円高・ドル安を見込む。仮に今の為替水準が続けば、今後、企業収益の押し上げ要因となる可能性がある。

短観の調査対象は全国約1万社。今回の回答期間は5月29日~6月29日で基準日の6月12日までに約7割が回答した。

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