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大阪北部地震から2週間 都市の安全、取り戻したい

大阪府北部で震度6弱を観測した地震は1日時点で被災家屋が2万2千棟を超え、なお約180人が避難生活を送る。倒壊したブロック塀で女児が犠牲になったほか、交通網やライフラインが大混乱し、都市の脆(もろ)さがあらわになった。地震発生から2日で2週間。次の災害へ備えを見直す動きが広がる。

「認識が甘かった」。大阪府高槻市教育委員会の幹部は6月22日の記者会見で謝罪した。通学中の女児(9)が下敷きになり死亡した小学校のブロック塀は建築基準法に適合せず、外部から危険性を指摘されたのに対策をとっていなかった。

ブロック塀は過去の災害でも人的被害をもたらしたが、危険な塀が多く残っている実態が明らかになった。文部科学省は学校や通学路にあるブロック塀を緊急点検。大阪市は撤去・改修費用の補助制度を設けることを決めた。

鉄道の主要路線は復旧するまでに半日以上かかり、影響人員はJR在来線だけで約240万人。人海戦術に頼る復旧作業の限界が露呈し、JR西日本の来島達夫社長は地震後の記者会見で「非常時の体制の組み方を検証する」と述べた。

ライフラインでは老朽化した水道管が破裂して断水。約11万2千戸が供給を停止した都市ガスは全面復旧までに約1週間かかり、市民生活への影響が長引いた。

18日の地震で被災した家屋は、近畿4府県で計2万2497棟。全壊4棟、半壊50棟で、99%に当たる2万2443棟が一部損壊だった(1日時点)。一部損壊に対しては公的支援が乏しく、修復に頭を悩ます住民も。震度6弱を観測した大阪府高槻市などでは瓦が崩れ落ち、ブルーシートが掛けられた住宅が目に付く。(6月29日、高槻市芝生町)

18日は地震による公共交通機関の運行休止が長時間に及び、徒歩で帰宅しようとする人々が道路にあふれた=写真右。ソフトバンクグループのアグープ(東京・渋谷)は当日のJR大阪駅周辺の人の流れを携帯電話の位置情報から可視化=図は同社提供。青の点が自転車の速度(時速15キロ)以下で移動中の人で、大阪市中心部から帰宅する人が淀川の橋などに集中している。

大阪府北部を運行する大阪モノレールは今回の地震の影響で、計約1週間にわたり運休した。軌道を切り替える分岐器の約4割で不具合が見つかったほか、一部の車両で振動を吸収するゴムブロックが台車から外れかけているのが見つかった。運行する大阪高速鉄道は設備や機器の耐震性、地震発生後の対応など対策を強化する。(点検に当たる工作車、6月29日未明)

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