2018年7月21日(土)

名古屋「丸栄」 晩年は苦境続き 老舗百貨店閉店

小売り・外食
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2018/7/1 1:00
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 「丸栄ありがとうー」――。30日午後7時20分ごろ、閉店セレモニーで浜島吉充社長らが深々と頭を下げると、来店客らから大きな拍手が起き、感謝の声が飛んだ。多くの人々が見守るなかシャッターが降ろされ、老舗は最後の営業を終えた。

多くの来店客に見守られながら閉店する丸栄(30日、名古屋市中区)

1615年に前身の小間物商「十一屋」が創業した=丸栄提供

1939年、もう一つの前身・三星が現在の丸栄本館の場所に完成=丸栄提供

1955年ごろの丸栄本館。当時、売り場面積で西日本一の規模を誇った=丸栄提供

1973年、隣接する別館にマルエイスカイルが開業した=丸栄提供

「ギャル路線」当時の丸栄店内(2000年)

 丸栄は1943年、百貨店「十一屋」と「三星」の戦時統合で誕生。名古屋・栄で「丸く栄えるように」との願いから命名された。

 50年代には中部以西で最大の売り場面積を誇り、高度成長期を経て、92年2月期に売上高はピークの825億円を記録したものの、バブル崩壊後はインターネット通販の台頭などで苦境に陥る。

 99年には当時流行の「ギャル路線」導入という勝負に出たが、中高年の常連客を遠ざけた。松坂屋や名古屋三越、名鉄百貨店と並び「4M」と称された勢いを取り戻せず、JR名古屋高島屋の進出も追い打ちを掛けた。

 2017年2月期には売上高が168億円まで落ち込み、3期続けて最終赤字を計上。建物の老朽化もあり、閉店の決断を余儀なくされた。

 閉店後も外商部門は10人ほどで続ける。同部門も経験した元社員、古川浩昭さん(54)は「残る人には頑張ってほしい」とエールを送った。

 本館は今年9月ごろ解体に着手し、跡地は新たな商業施設に生まれ変わる予定。浜島社長はセレモニーで「栄地区の活性化に向けた発展的な営業終了ととらえてもらいたい」と述べた。10代のころ、ギャル服を買いに足を運んだという名古屋市守山区の主婦、前田亜紀さん(33)は「ワクワクする場所になれば」と新施設に期待していた。

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