千葉大、ヨウ素活用の産学連携センターを開設

2018/6/30 0:30
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千葉県内でヨウ素を利活用する動きが広がっている。千葉大学は新たな用途開発を目的とした産学連携施設を29日に開設し、太陽光発電や医療などで活用する方法を研究する。県内でヨウ素を採取する企業も増産に向けて設備を増強する。千葉はヨウ素の国内生産量の4分の3を占めており、県産資源を生かしたビジネス展開を目指す。

イノベーションセンターには参加企業の研究員も常駐する

千葉大が約8億5000万円を投じて整備した「千葉ヨウ素資源イノベーションセンター」(CIRIC)は地上4階建てで、延べ床面積は約2000平方メートル。物質の構造を高精度に解析する核磁気共鳴装置(NMR)など、最新鋭の検査・分析機器を導入した。

施設内には伊勢化学工業や合同資源(東京・中央)、日宝化学(同)など同大と連携するヨウ素関連企業も研究室を設け、研究員を常駐させる。千葉大の教員や学生を含め、常時20~30人がヨウ素研究にあたる予定だ。

米国地質調査所によると、日本のヨウ素生産量シェアは31%(2016年)とチリに次ぐ世界2位。千葉県内では茂原市やいすみ市の周辺に地下水からヨウ素と天然ガスを取り出す「ガス井」が多く点在し、県全体で国内生産量の4分の3を占めている。

徳久剛史学長は「大学のヨウ素研究に企業が参加することで、付加価値の高い製品開発が可能になる」と期待を寄せる。開所式に参加した千葉県の滝川伸輔副知事も「医薬品や電子部品、自動車の分野でも生かせるかもしれない」と語った。県はヨウ素の増産に必要な地元市町村との調整や企業誘致などで協力する。

CIRICは当面の重点テーマとして、次世代の薄型太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」の素材として製品化を進める。がんの診断や治療、レントゲン造影技術の高度化などの研究にも取り組む。19~21年ごろには各研究テーマの実用化にこぎつけたい考えだ。

将来のヨウ素の用途拡大を見据えて、県内の関連メーカーも事業体制の強化に動く。K&Oエナジーグループは18年から25年にかけて県内で新たなガス井の開発を加速する方針で、ヨウ素の製造設備も増強。25年にはヨウ素の年間販売量を18年目標の2割増の2100トンに増やす目標だ。

CIRICにも参加する合同資源は千葉事業所(長生村)が手がけるヨウ素製品「ヨウ化ナトリウム」の生産設備を1月に増強。3億8000万円を投じ、生産能力を従来の2倍以上となる年間330トンに引き上げた。医療分野を中心としたヨウ化ナトリウムの需要拡大に対応する。

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