三菱UFJモルガン、国債相場を不正操縦 課徴金勧告

2018/6/29 15:56
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証券取引等監視委員会は29日、日本国債の先物取引で相場操縦をしていたとして、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対し2億1837万円の課徴金納付を命じるよう金融庁に勧告した。実際には成約させる意思がないにもかかわらず大量の売りと買いの注文を出す「見せ玉」と呼ぶ手口で不正に価格を操作したという。

証券会社による長期国債先物を対象にした相場操縦は初めてで、デリバティブ(金融派生商品)に限ると、過去最大の課徴金額になる。

不正取引をしたのは同社のディーラー1人で、2017年8月に同社の自己勘定で取引していた。大量の売買発注で相場が活況であるようにみせかけ、価格変動に伴うさやを抜いていた。この相場操縦で同社は158万円の利益をあげたという。監視委はこのディーラーが個人の判断でやったとみている。

監視委によるとディーラーは自分の取引で評価損を抱えていたといい、回復するために相場操縦をしたとみられる。日本取引所自主規制法人からの情報提供で実態調査し、不正が判明した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は「このような事態が発生したことはきわめて遺憾で重く受け止める。市場の公正性や透明性を損なう行為でほかの市場関係者やお客様をはじめとする関係者に多大な迷惑をかけたことを心よりおわびする」と謝罪した。

親会社の三菱UFJフィナンシャル・グループの2018年3月期の市場部門の営業純益は前の期比約3割減の2545億円だった。「組織的な不正ではない」(三菱UFJ)というが、国債の運用難が続くなか、社内に過度に利益貢献を目指す風潮があったのではないかとの見方もある。

三菱UFJでは同じくグループ会社のモルガン・スタンレーMUFG証券が16年、自己勘定部門による西武ホールディングス株の相場操縦で金融庁から2億円強の課徴金納付命令を受けている。度重なる不祥事によるイメージダウンの影響は小さくない。

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