2018年9月20日(木)

「灘五郷」ブランド保護 神戸・西宮の酒、欧州開拓に追い風

サービス・食品
地域総合
関西
2018/6/29 15:00
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 神戸市と兵庫県西宮市にまたがる日本有数の酒どころ「灘五郷」が、地域ブランドとして国に保護される地理的表示(GI)に指定された。28日付。今後灘五郷の日本酒を名乗れるのは、原料や酒質など一定の基準を満たしたものに限定される。経済連携協定(EPA)発効でGIを相互保護するようになる欧州を中心に、海外市場の開拓に取り組む酒造会社を後押ししそうだ。

灘五郷の酒造メーカーはGI指定で輸出増を目指す(神戸市、統一ラベル「灘の生一本」試飲会の様子)

 灘五郷酒造組合の田中準浩技術委員会委員長は「(GI指定を)海外でのブランド力向上につなげたい」と話す。室町時代からの酒どころで生産量が国内一の灘五郷を、ワインの仏ボルドーやブルゴーニュのような酒の産地として打ち出す第一歩との位置付けだ。

 産地の特徴を明確に打ち出すため基準は厳格に定めた。ミネラル分がほどよい良質な灘五郷の地下水を使い、エリア内で製造して瓶詰めすることが第一条件。そのうえで各社の技術者と外部の鑑定官が官能検査を実施し、味のバランスや切れをチェックして基準以上のものだけに灘五郷の表示を認める。各社は高価格帯の製品にGIを付けていくことになりそうだ。

 ピーク時には170万キロリットルあった日本酒の年間国内消費量は60万キロリットルを割り込む一方、輸出は右肩上がり。その中で欧州向けは全体の1割弱と米国や東アジアに比べて市場開拓が遅れているが、日本と欧州連合(EU)が2019年の発効をめざすEPAで、GIが相互保護されるようになれば追い風になる。

 最大手の白鶴酒造(神戸市)は19年度の輸出量を17年度比4割増とする目標を掲げる。特に欧州市場全域での拡販を目指し、6月から英ロンドンに拠点を設け欧州の輸入卸店や小売店、飲食店に営業活動を始めた。菊正宗酒造(同)は16年に立ち上げた新ブランド「百黙」の欧州進出に向け、9月にパリの三つ星レストランでPRイベントを開催する。

 マーケティング論が専門の栗木契神戸大大学院教授は「ラグジュアリーな消費を求める海外の客層は、おいしさだけでなく栽培法や製法、ストーリーなどを楽しむ。GIはそれを訴える第一歩になる」と話す。

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