無線LANの業界団体であるWi-Fi Allianceは2018年6月28日、米国時間の6月25日に発表したWi-Fiセキュリティー新規格「Wi-Fi CERTIFIED WPA3」の説明会を東京都内で開いた。来日したマーケティング担当バイスプレジデントのケビン・ロビンソン氏がWPA3の特徴などを解説した。
Wi-Fi Allianceマーケティング担当バイスプレジデントのケビン・ロビンソン氏
WPA3は広く使われるWPA2の後継に当たる。WPA2同様、WPA3にも主に個人向けのWPA3-Personalと主に企業向けのWPA3-Enterpriseの2種類のモードがある。「WPA3は、Wi-Fiネットワークにおいて、より簡素化されたセキュリティーと堅固な認証、より強力な暗号化を実現する」(ロビンソン氏)。
WPA3は 移行モードによってWPA2との互換性を維持できる。ロビンソン氏はWPA2とWPA3の関係について「Wi-Fi CERTIFIEDデバイス(認定デバイス)では引き続きWPA2が必須要件となっているが、最終的にはWPA3が必須要件になると理解してほしい」とコメントした。なおWPA3の認定プログラムは、既に利用可能になっている。
Wi-Fi AllianceはWPA3と同時に、「Wi-Fi CERTIFIED Easy Connect」も発表している。これは、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」デバイスなどディスプレーを持たないようなデバイスを簡単にWi-Fiで接続できるようにする手段を提供する。スマートフォンなどで製品のQRコードをスキャンすることで、Wi-Fiネットワークにデバイスをセキュアに追加できるようにするという。
(日経 xTECH 山崎洋一)
[日経 xTECH 2018年6月28日掲載]