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決勝T懸け「ギャンブル」に勝った西野監督
サッカージャーナリスト 大住良之

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2018/6/30 6:30
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ポーランドに敗れたが、決勝トーナメント進出を決め喜ぶ日本イレブン

ポーランドに敗れたが、決勝トーナメント進出を決め喜ぶ日本イレブン

サッカー日本代表にとってのワールドカップ・ロシア大会は、後に「ギャンブルに出て勝った」大会として記憶されることになるかもしれない。

第1のギャンブラーは日本サッカー協会の田嶋幸三会長である。4月に敢然とバヒド・ハリルホジッチ監督を解任し、当時技術委員長だった西野朗氏を新監督に据えた。

西野監督で勝てなければ、田嶋会長は大きな批判にさらされたことだろう。だが西野監督は幸運のしっぽを見事につかみ、日本代表を2002、10年に続き、3回目のワールドカップ「ベスト16」に導いた。

そして何よりも最大のギャンブラーは西野監督である。

6月28日の1次リーグ最終戦のポーランド戦。59分にFKから先制点を許し、日本の決勝トーナメント進出に暗雲が漂った。それから試合終了まで追加タイムを入れての35分間ほどは西野監督の人生で一番長く、そして一番短かったに違いない。

追いつかなければならない。当然、攻撃の切り札の投入である。前半にはよい動きを見せていた宇佐美貴史に代えて乾貴士を送り込む。だがポーランドの守備は堅い。

人数をかけて攻め上がった日本に対しポーランドが強烈なカウンターを繰り出し、右からの速いクロスに合わせたFWレバンドフスキのシュートがわずかにバーを越えたのが74分。ちょうどそのころ、北西に約630キロ離れたサマラで行われていた試合で、コロンビアが先制点を挙げたという知らせがもたらされた。

後半、先制点を挙げ駆け出すポーランドのベドナレク(中央)。右下はGK川島=沢井慎也撮影

後半、先制点を挙げ駆け出すポーランドのベドナレク(中央)。右下はGK川島=沢井慎也撮影

「フェアプレーポイント」に託す

ここが西野監督にとっての勝負どころだった。第2戦を終わった時点で首位に並んだ日本とセネガルは1勝1分けの勝ち点4。得点4、失点3で完全に並んでいた。直接対決も2-2の引き分けだった。両試合が0―1のままだったら、ワールドカップ史上初めての「フェアプレーポイントによる順位決定」となる。イエローカードに1、レッドカードに3のポイントをつけ、3試合の合計ポイントが少ないほうが上位になるというシステムである。2試合目までのイエローカードは日本の3に対してセネガルが5。この日、日本はDF槙野智章がイエローを1枚もらったものの、まだ日本のほうが優位だった。

セネガル―コロンビア戦が0―1のまま終わるとは誰にもいえない。追加タイムを入れて残り20分。だが80分を過ぎてコロンビア―セネガル戦のスコアが動かないことを知ると、西野監督は決断を下す。

この時点で、日本はすでに2枚の交代カードを使ってしまっている。後半立ち上がりにFW岡崎慎司が足を痛めてFW大迫勇也と交代していたからだ。残り10分、私は当然、香川真司か本田圭佑だと思っていた。しかし西野監督がFW武藤嘉紀に代えて送り出したのはMF長谷部誠だった。82分のことである。

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