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関西企業、総会ピーク 株主提案改革迫る

関西
2018/6/28 20:52
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 関西の上場企業の株主総会が28日、ピークを迎えた。注目されたのが株主が議案を提出する株主提案の増加だ。包装容器メーカーの古林紙工は海外の投資ファンドから提案があった。会社が提示した議案でも賛成比率が低いものが目立ち、株主との対話がより一層重要となっている。

古林紙工では保有株の売却などを求める株主提案があった(28日、大阪市)

 関西に本社機能を持つ400社超のうち約140社が同日、株主総会を開いた。株主提案を受けた企業や、提示した議案への賛成比率が低い企業には共通点がある。取引先の株式を多く保有、経営者の在任期間が長いなどだ。買収防衛策も評判が悪い。

 同日、大阪市で株主総会を開いた古林紙工は「物言う株主」として知られるウルグアイの投資ファンド、ホライゾン・キャピタル・マネジメントから株主提案を受けた。

 古林紙工は大阪市に本社がある東証2部上場企業で、日用品や食品の包装容器を生産している。取引先である花王の株式を時価ベースで約41億円分保有する。これは古林紙工の純資産(88億円、3月期末時点)の約半分、時価総額(52億円)の8割にあたるが、花王の発行済み株式に対しては微々たるもの。ファンド側は資金が有効活用できていないとみて「古林紙工の花王に対する投資は過大」と指摘。花王株の現物分配などを要求したが、議案は否決された。

 古林敬碩社長は「短期志向の海外ファンドとは会う必要がない」として昨年9月以降、ファンドの面会要請を2度断った。花王株の保有については予知せぬ危機に備えて手元に現金や株を持っておきたいと主張。「今後の成長や定期的な配当が見込める株をなぜ売る必要があるのか」と反論する。

 こうした政策保有株(持ち合い株)に株主の視線は厳しい。繊維商社の蝶理でも売却を求める株主提案があった。ワコールホールディングスなど、取引先とみられる企業の株式を46億円分、保有している。提案は否決されたが、賛成比率は11%にのぼった。

 在任期間が長い経営者や、買収防衛策への風当たりも強い。会社が提案した取締役の選任議案に対する賛成比率は9割が一般的だが、キーエンスでは創業者の滝崎武光取締役名誉会長の選任議案への賛成比率が77%にとどまった。好業績にもかかわらず、配当性向が6%と低いことも影響したようだ。

 ミズノの水野明人社長は2006年、ダスキンの山村輝治社長は09年の就任。いずれも株主資本利益率(ROE)が4~6%程度と低く、投資家の不満が強い。

 京阪ホールディングスでは買収防衛策の更新を求める議案の賛成比率が75%だった。敵対的買収のハードルを上げる買収防衛策には経営陣の保身との批判がある。

 こうした総会の変化について、りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「世界的に存在感を高める関西企業が増えていることの裏返し」と話す。世界的なカネ余りの中、ニッチでも独自の技術を持つ関西企業を海外の投資ファンドが注目し始めたという。

■対話、企業価値高める

 企業は株主との対話を強化する必要がある。例えば、カプコンでは2014年に否決となった買収防衛策が翌年、可決した。「なぜだめだったのか投資家に徹底的にヒアリングし、意義を説明した」(同社)という。統合報告書に買収防衛策の必要性について議論する取締役会の議事録を載せるなど、投資家の理解を含める資料作りにも力を入れた。最終的には発動の条件などを見直し、可決にこぎ着けた。

 ダンプカーなどを手掛ける新明和工業。大株主に旧村上ファンド関係者が運営するレノがいる。レノからの資金流入後に、配当性向を40~50%とする中期経営計画を策定した。足元の株価は約2年半ぶりの高値圏で推移する。市場では「ファンドの資金流入が積極的な株主還元のきっかけになった」(いちよし経済研究所の高辻成彦アナリスト)との見方がある。ファンドと一緒に企業価値を高める取り組みが重要になりそうだ。

(渡辺夏奈)

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