金正男氏殺害事件、無罪か公判続行か8月16日に判断 マレーシア高裁

2018/6/28 19:00
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【クアラルンプール=中野貴司】北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件で、マレーシア高裁は8月16日に実行犯役となった女2人の審理を継続するか、無罪放免するかの判断を示す。高裁が2被告の殺意の有無をどう判断するかが焦点となる。これまでの公判では北朝鮮の国家的な関与など事件の核心は明らかになっておらず、今後も真相解明は難しそうだ。

高裁に入るドアン・ティ・フォン被告=AP

2017年2月に金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄である金正男氏がクアラルンプール国際空港で殺害された事件では、ベトナム人のドアン・ティ・フォン被告とインドネシア人のシティ・アイシャ被告が殺人罪で起訴された。

17年10月に始まった公判は28日までに、検察側の立証作業がほぼ終了。検察側は2被告が猛毒であるVXを金正男氏の顔や目に擦りつけた経緯などから殺意は明らかだと主張した。一方、弁護側は金正男氏が殺害された前後の被告の行動などから「両被告が殺意を持っていなかったのは明白」だと無罪を訴えた。

高裁はこれまでのやり取りを踏まえ、次回期日の8月16日に公判の方向性を示す。高裁が2被告の両方あるいはいずれかの審理がさらに必要と判断すれば、被告側が弁護の主張を続ける。高裁が殺人罪が成り立たないと判断すれば2被告は無罪となる。

この事件では犯行を計画・指示したとみられる北朝鮮籍の4容疑者が指名手配されたが、犯行直後にマレーシア国外に逃亡した。北朝鮮の誰が殺害を指示し、計画がどの程度のレベルまで共有されていたかといった具体的な事実や背景は、これまでの公判で解明されていない。

弁護側は28日も「事件は北朝鮮による政治的な暗殺で、2被告はスケープゴート(いけにえ)だ」と検察の捜査手法を批判した。検察側の主張通り殺人罪での有罪が確定すれば、2被告は死刑となる。

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