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個人データは誰のものか(大機小機)

GAFA(グーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、アップル)などのプラットフォーマーによる情報独占が世界的な課題となっている。IT(情報技術)分野以外の大企業も、ビッグデータを利用する新市場を狙って多様なデータ収集に乗り出している。情報が膨大な価値を生み出すからだ。

例えば、運転操作と経路を含む運転履歴や健康情報は、保険加入の際に有用な情報となる。サービスは独占的に供給されているので、消費者は個人情報の利用を拒否するとサービスを使えない。つまり、消費者は拒否できない。こうして個人のあらゆる情報が独占企業に利用されてゆく。

インターネット上で検索したり商品を購入したりすればすぐ類似商品の広告が頻繁に表示されるターゲティング広告は、GAFAの収益源である。多くのサービスは無料だが、実は「個人情報の提供」という対価を支払っている。

個人は知らないうちに個人情報を利用される可能性があるし、そもそも情報がどれだけ利用されているのかも分からない。技術進歩の成果利用が広がることは大切だが、対価支払いの実態を利用者に熟知させる環境整備が必要である。

欧州連合(EU)が先月25日から施行した「一般データ保護規則(GDPR)」はその点で重要なステップである。個人情報は個人の所有物だと明確に定義し、取得した情報は個人が利用しやすい形で保有し、個人の意思で他社に移動できるデータポータビリティーを義務付けている。

データの所有権は財産所有権を誰に認めるかの問題であり、私有財産制を基本とする自由主義経済の基盤に関わる。財産権は歴史的に、土地所有権、公共財を汚す公害や知的財産権問題のように形を変えて現れ、制度がその都度整えられてきた。中国では個人に土地所有権はないし、データも国家管理の方向に向かう可能性がある。大企業による情報管理は新たな独占問題である。

収益拡大のために個人データを利用する企業は今後も現れるだろう。データ利用の倫理性も企業評価基準として重視されるに違いない。フェイスブックの情報不正流出問題を例に挙げるまでもなく、それは企業の存続を脅かす問題にもなり得る。

(桃李)

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