2019年9月19日(木)

一枚上手の相撲論(浅香山博之)

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白鵬の張り手やかち上げは禁じ手か

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2018/7/6 10:46
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白鵬が横綱で、しかもあれだけ強いからこそ批判されてしまうのかもしれないが、なぜ無策で敗れる若手に厳しい目が向かないのかと疑問に感じる。「なぜ横綱に立ち向かっていかないんだ」「なぜもっと稽古をしないのか」と若手の尻をたたく人がいない。白鵬が張り手やかち上げばかりやるのだったら、それに負けないくらいの体をつくり上げて当たりの強さを磨く。立ち合いの対策も練る。白鵬に「張り手やかち上げをやっていたら、もう勝てないかもしれない」と危機感を覚えさせるほど、下から突き上げていかないと世代交代は起きないままだ。先場所は24歳の阿炎が白鵬を一気に押し出して金星を挙げた。白鵬が張り手やかち上げをできないくらいの鋭い立ち合いだった。あのように臆することなく思い切って攻め込んでいけば、白鵬相手に勝てることだってある。ほかの若手力士にもできるはずだ。

先場所6日目、阿炎(左)に押し出しで敗れた白鵬=共同

先場所6日目、阿炎(左)に押し出しで敗れた白鵬=共同

プロとして気持ちで負けぬように

場所前の稽古では、近年はずっと横綱が稽古相手を求めて出稽古している。自分もそうだったが、本来は下の者が強くなるために、横綱ら上位力士のもとへ出向いて胸を借りるもの。考えられない状況がずっと続いている。昨年の冬巡業にいったが、ある20代の幕内力士は巡業の序盤で「いま調整しています」と言って稽古をしなかった。巡業が終盤になってもまだ稽古していないものだから、ある親方から「おまえはいつまで調整しているんだ」と雷を落とされて、ようやく稽古をするようになった。

ベテランともなればガツガツした稽古はできないと思うが、20代の若手は日ごろから追い込んだ稽古をしないといけない。稽古が足りずに体が弱くなっているから、番付を上げてもすぐにけがをして上位に定着する力士があまりいない。そして白鵬の張り手やかち上げに一発で負けてしまう。体もそうだが、プロとしてもっと自覚を持って気持ちでも負けないこと。若手は強い横綱がいるからこそ倒してやるという気概で、闘志を前面に出してほしい。

(元大関魁皇)

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