/

あいみょん 過激な歌詞で人気、官能的表現にも挑戦

NIKKEI STYLE

2016年にデビューした、兵庫県出身の23歳の女性シンガー・ソングライター、あいみょん。愛くるしいルックスからは想像できない、聴く人の心に大きな爪痕を残す歌詞と、アコースティックギターから生み出す多彩なサウンドが特徴だ。

インディーズ時代の楽曲『貴方解剖純愛歌~死ね~』(15年)では、「死ね。/私を好きじゃないのならば」と過激すぎるほどの愛情をバンドサウンドとともに歌い、デビュー曲『生きていたんだよな』では、ある少女の自殺のニュースを題材に、死生観を1980年代風歌謡メロディーに乗せて歌い上げた。

「父親の影響で、浜田省吾さんや河島英五さんなどの楽曲に小さい頃から触れていました。学生時代にはスピッツや東方神起などいいと思った曲は何でも聴いてきたのでジャンルにとらわれずに音楽をやりたいんです」

今年に入ってからは、『関ジャム 完全燃SHOW』『ミュージックステーション』(ともにテレビ朝日系)、『SONGS』(NHK総合)と、人気音楽番組に立て続けに出演。もともと高かった音楽関係者からの評判に加え、より幅広い層から注目されるようになった。

「メディアに出たいという気持ちはそこまで強くなかったんですが、『Mステ』が決まった時は自然と涙が出ました。最近は忙しくなって、曲作りの時間を昔ほど確保できていないぶん、創作意欲が高まっています」

リズミカルなドラムにアコースティックギターが絡む最新シングル『満月の夜なら』は、男女の魅惑的な夜を官能的に描いた新境地のラブソングだ。冒頭から「君のアイスクリームが溶けた/口の中でほんのりほどけた」と意味深なフレーズを並べる。

「最近の女性ソロアーティストで、官能的な表現を使う人って意外と少ないのかなって。私は桑田佳祐さんや平井堅さんのように、巧みな比喩でいやらしいものでも芸術的にたとえる歌詞が好きなんです。官能小説も表現力の勉強になるので読みますよ」と笑う。

カップリング曲の『わかってない』では、メロウなサウンドに乗って、男性に対するもどかしい女性の気持ちを歌う。

「女の子の言う『分かってない』って、相手の男性に分かってほしいけど、全部分かってほしいわけじゃない、すごく複雑な感情なんです」。そして続けて、「あとこれは、私のことを『ギター女子でしょ』って言い切っちゃうような人に向けての、分かってないでもあります(笑)」

今後は「男性のゲストボーカルを迎えて、男女編成の曲にも挑戦してみたい」と語る彼女。これからも新たな楽曲やスタイルで、ファンを増やしていきそうだ。

(「日経エンタテインメント」6月号の記事を再構成 文/中桐基善 写真/藤本和史 スタイリスト/服部昌孝)

[日経MJ2018年6月29日付]

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません