2018年7月22日(日)

米、対中輸出の制限検討 投資制限は強硬策見送り

トランプ政権
経済
北米
2018/6/28 0:14
保存
共有
印刷
その他

 【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は27日、中国の知的財産権侵害をめぐり「米国の先端技術を守るため、米商務省に輸出制限の検討を指示した」と明らかにした。半導体製造装置などが対象になるとみられ、中国のハイテク産業の育成を妨げるねらいがある。中国の対米投資制限については既存の対米外国投資委員会(CFIUS)を使うと正式表明し、強硬姿勢を和らげた。

 トランプ氏は27日に公表した声明で「国家安全保障と技術の主導権を守るため、必要に応じて輸出制限を強化することを検討する」と明言した。米商務省には具体策の検討を指示した。

 トランプ政権は中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)に制裁を科し、米国製半導体などの調達が困難になった同社は経営危機に一時陥った。米政権は「対中制裁は輸出規制が最も効果的だ」(ホワイトハウス関係者)との見方を強めており、中国製品の輸入関税引き上げに並ぶ対抗措置と位置づけている。

 具体的には半導体製造装置などが輸出規制の対象になる可能性がある。中国はハイテク産業の育成策「中国製造2025」計画に沿って、半導体や産業ロボットなどの国内生産を強化している。ただ、基幹部材や製造装置は米国など海外製品に依存しており、米国の輸出規制は中国のハイテク育成策を根元から締め上げるねらいがある。

 ただ、米国のハイテク分野は対中輸出の比率が高まっており、トランプ政権が輸出規制に踏み切れば米企業への悪影響は避けられない。中国は日本など第三国からの調達を増やすとみられるが、トランプ政権が日本などにも対中輸出の制限を求める可能性がある。

 米政権は中国企業の対米投資の制限案も検討してきた。トランプ氏は27日の声明で対米投資の制限案について、米財務省などが管轄するCFIUSを活用する考えを正式に表明した。

 CFIUSは対米投資に安全保障上の問題があると判断すれば、米大統領に中止を勧告できる。米議会は中国企業の投資制限を念頭に、CFIUSの権限強化法案を審議しており、トランプ氏は新法案を後押しする。これまで抜け穴となっていた少額出資などもCFIUSの審査対象に加え、投資制限を強める。

 トランプ政権内には中国の対米投資を大統領権限で広範に差し止める案もあった。CFIUSは安全保障を中心に審査する独立機関で、同制度を使うことで強硬的な投資制限案からは一歩後退したといえる。もっとも、CFIUSは既に中国企業の審査を強化し始めており、中国の対米直接投資は激減している。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報