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劇的な幕切れ アルゼンチン苦闘の末16強入り

前半、先制ゴールを決めるアルゼンチンのメッシ=三村幸作撮影

じらされた分だけスタジアムの歓喜は特大だった。14分。過去2試合は1分け1敗で思うに任せず、無明の闇のなかにいたアルゼンチンに一条の光が差し込んだ。光のぬしはメッシその人。後方から届いた、たった1本の縦パスをゴールに変えた。

3度のタッチに奇想はないが、どこまでも精密だった。左ももでボールを弾ませ、左足で軽やかに一突き。そのまま右足でゴール左隅に流しこむ。追いすがるDFのタックルは間一髪間に合わず、身構えるGKの肩口をボールがすり抜ける、その軌道の美しさ。

当たり前のことを、とびきりの精度で積み重ねる。メッシの起こす「奇跡」とはそういうものなのだろう。

救世主に今大会初得点が生まれても、アルゼンチンの受難は終わらなかった。後半になると、汚れ仕事を引き受けてきたマスケラーノが相手のCK時にマークを引き倒したと判定され、ナイジェリアにPKが与えられた。モーゼスがたやすく決めて同点。過去のW杯1次リーグで4戦全勝のナイジェリアとも引き分けて1次リーグ敗退か。

その後、焦慮に駆られたあけすけの攻めを切り返され何度もピンチを招いたが、最後に我慢が報われた。86分、右SBメルカドが入れたクロスを駆け上がってきたCBロホがたたき込む。4分の追加タイムが過ぎると、ベンチ総出でピッチになだれこんでお祭り騒ぎ。せき止めていたものがあふれ出た、サンクトペテルブルクの夜だった。

(サンクトペテルブルク=阿刀田寛)

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