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株式長者は目利き役 膨らむ富、成長分野に投資
株主解剖(6)

2018/7/6 22:24
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 「ニッポン株式会社」の株主の実態を描いてきた「株主解剖」。最終回は起業で財をなした世界の株式長者を取り上げる。

 4月29日、米テキサス州西部で白いロケットが轟音(ごうおん)を響かせて上空に舞い上がった。ロケットを開発したのは、ブルーオリジン社。アマゾン・ドット・コム最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス氏が立ち上げた宇宙ベンチャーだ。

 3月には、スカパーJSATから人工衛星の打ち上げを受注したと発表。テスラCEOのイーロン・マスク氏率いるスペースXとともに、これまで政府が主役だった宇宙ロケットに革新をもたらしている。

 ベゾス氏はアマゾン株の約16%を保有する。保有株数に株価をかけて算出した推計時価で14兆8千億円にのぼるアマゾン株の一部を売却し、宇宙開発に突き進む。

 ネット時代の株式長者たちは、生み出した富をスタートアップ企業への投資や未知の技術の研究開発など次世代の成長分野に投じる。

 マスク氏はスペースXと並行して、米ロサンゼルスで地下空間を使った時速約240キロメートルの都市内交通システムの実現に取り組む。

 グーグル共同創業者でアルファベットCEOのラリー・ペイジ氏が挑戦するのは、「空飛ぶ自動車」の開発だ。

 いずれも創業の経験で培った目利き力と資金力をテコに、社会問題の解決を目指す。

 フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏とマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は医療問題に取り組む。ザッカーバーグ氏はアルツハイマー病のような神経変性疾患の治療法確立に挑み、ゲイツ氏はマラリアやインフルエンザのワクチンを低価格で製造する手法に資金を提供する。ソフトバンクグループを創業した孫正義氏や、日本電産会長兼CEOの永守重信氏は、人材育成を目的とする財団のスポンサーを設立した。

 こうした挑戦を支えるのが、株価上昇に伴い、雪だるま式に膨らむ株式長者たちの資産だ。ベゾス氏など世界の株式長者上位10人の株式推計保有時価は、13年末に比べて倍増した。米MSCIの全株指数(17%高)に比べて、圧倒的な増え方だ。

 受け取る配当額も桁違いだ。オラクル会長のラリー・エリソン氏は前期、オラクル株の配当金で8億6000万ドルもの収入があった。

 中国人の台頭も著しい。騰訊控股(テンセント)CEOの馬化騰(ポニー・マー)氏の保有株の推計時価は4兆6千億円に達する。テンセントのほか、米国市場に上場する米バイオベンチャー、アテネックスの筆頭株主となっている。

 かつて世界の超富裕層は、もっぱら慈善活動や文化・スポーツ活動の支援などにお金をつかった。現代の株式長者たちは、時代の先を見抜く眼力と莫大な資産を武器に、起業を続けるシリアル・アントレプレナー(連続起業家)となっている。=おわり

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