2018年9月24日(月)

原電東海第2原発 7月にも合格内定へ

経済
2018/6/26 21:02
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 日本原子力発電の東海第2原子力発電所(茨城県)が再稼働に関する審査で7月中にも合格内定する見通しとなった。26日の原子力規制委員会の会合で、再稼働の前提となる安全審査の議論がほぼ終わった。規制委は原電が近く提出する修正書類を確認し、事実上の合格証となる「審査書案」をまとめる。ただ、再稼働には周辺自治体の同意が必要となる。

日本原電の東海第2原子力発電所(茨城県東海村)

 東海第2原発は事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ「沸騰水型」の原発だ。安全審査に合格すれば、同型の原子炉としては東電柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)に続く2例目となる。

 同日の審査会合では、森林火災の対策など一部書類に不備があったが、主要部分の審査は終わった。21日には、兵庫県の研究施設で安全対策装置の性能をみる試験をし、技術的に大きな問題はないことを確認した。規制委は近く、新規制基準に適合していると認める審査書案づくりに移る。

 東海第2原発は運転開始から40年を迎える2018年11月末までに、設備の詳しい設計を記した工事計画や最大20年となる運転延長の認可を得なければならない。これらの審査は進んでおり、期限までに終えられる可能性が高い。

 ただ再稼働させるには、地元や周辺自治体の同意が必要だ。東海第2原発は半径30キロメートル圏内に約96万人が住んでおり、全国の原発で周辺の住民人口は最も多い。

 原電は3月、東海第2原発がある東海村のほか、水戸市やひたちなか市など5市と安全協定を結んだ。法的拘束力はないが、再稼働や運転延長に際し、6市村が事前に意見を述べたり、安全対策を要求したりできる。

 水戸市は18年10月までに東海第2原発の安全性などを評価する有識者会議を設置する。会議での議論に加え、市民の意向や市議会の意見なども判断の参考にするという。高橋靖市長は「時期ありきではない」と強調しているほか、県内自治体による広域避難計画づくりが遅れており、再稼働の判断に時間がかかりそうだ。

 東海第2原発は東京から約120キロメートルに位置しており、首都圏の住民からも再稼働への反発が強まる恐れがある。「首都圏の住民にもていねいな説明が必要だ」と経済産業省幹部は語る。

 原電は今後、約1800億円を投じて安全対策などの工事に着手する。筆頭株主の東京電力ホールディングス(HD)と東北電力が3月、支援の意向を表明し、資金調達のメドがたった。

 原電は国策でできた民間会社で、東京、関西、中部、東北、北陸の電力5社に卸していた。福島第1原発事故後は原発が停止したため、12年度以降の発電量はゼロ。今は5社から受け取る「基本料金」に支えられている。

 原電が保有するもうひとつの敦賀原発2号機(福井県)は直下に活断層があるとされ、再稼働は難しい状況だ。東海第2原発が廃炉になれば、原電の経営破綻につながりかねない。そうなれば廃炉などの費用を電力9社で分担しなければならず、電力各社には破綻は避けたいとの思惑があるようだ。

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