2018年7月20日(金)

日本で攻勢の米スラック、課題は情報の洪水

スタートアップ
ネット・IT
2018/6/27 6:00
保存
共有
印刷
その他

 ビジネスチャットの米スラック・テクノロジーズは26日、都内でイベントを開いた。日本でのサービス開始から約半年。来日したスチュワート・バターフィールド最高経営責任者(CEO)は日本市場について「数カ月前に英国を抜いて世界2番目の市場に成長した」と話した。IT(情報技術)企業を中心に利用が広がっており、サービスの進化に注目が集まる。

イベントに登壇した米スラック・テクノロジーズのバターフィールドCEO(26日、東京都港区)

 スラックはメンバーがチーム内で複数の目的ごとに分かれる「チャンネル」をつくったり、個人間で会話できたりするチャットツールだ。毎日使うアクティブユーザーは世界全体で800万人を超え、日本では50万人以上が利用する。バターフィールド氏によると、北米の約320万人に次ぐ規模だという。

 「100を超える国内サービスとの連携を進める」。スラックの日本法人を率いる佐々木聖治氏は利用者獲得に向け、国内で普及している業務ソフトとの連携を進める方針を明らかにした。国内の従業員は年内をめどに約3倍の30人にまで増やし、企業向けのサービスを拡大する。まだまだメール中心の日本の状況を打破する構えだ。

 開拓余地は大きい。ガイアックス子会社で法人向け交流サイト(SNS)を展開するEDGE(エッジ、東京・千代田)の調査によるとビジネスチャットの利用状況は2割に満たず、内訳もLINEが提供する「LINEワークス」が最も多く、米マイクロソフトの「スカイプ フォー ビジネス」「チームズ」と続いている。

 使い方も課題だ。エッジの佐原資寛社長はビジネスチャットについて「明確な目的を持たないで導入すると(社員の)愚痴や批判の温床になりかねない」と警告する。調査では活用している人の4割が不平や不満などネガティブなコミュニケーションを目にしていると答えた。

 スラックを社内に導入している企業として登壇したフリマアプリのメルカリの執行役員は「200近いチャンネルに入っている」と明らかにした。スラックでもメールと同様に、情報が多すぎて埋もれてしまう問題もあると指摘した。そこでメルカリでは自由にチャンネルを退室できる日を設定しているという。

 スラックは「チャンネルによるコミュニケーションが多くのメールを置き換える」(佐々木氏)と強気の姿勢だが、利用者からは「チャンネル疲れ」の声もあがる。バターフィールド氏が「10点満点中8点」と評価する日本事業。今後は効果的な使い方を指南する力も問われそうだ。(駿河翼、松本千恵)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報