2019年7月22日(月)

周期短い地震波、ブロック塀・棚倒す 倒壊家屋少なく
大阪北部地震

2018/6/26 11:15
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大阪府北部で震度6弱を観測した地震が、0.5秒以下の極端に短い周期で強く揺れるタイプだったことが専門家の分析で分かった。ブロック塀や家具の棚などは短い周期の揺れに共振しやすく、18日の地震では複数箇所で倒れ犠牲者が出た。建物被害は揺れの周期が長い方が深刻化するといい、周期の短さが倒壊した家屋が少なかった要因の1つとみられるという。

地震で倒れた棚を起こすボランティア(23日、大阪府茨木市)

筑波大の境有紀教授(地震防災工学)が防災科学技術研究所(茨城県つくば市)などによる観測データから分析した。

周期は揺れが1往復するまでの時間で、周期が短いと小刻みな揺れ、長いとゆったりした揺れ方になる。構造物は一般的に大きく高いものほど長い周期の揺れに共振しやすい。境教授によると、0.5秒以下の周期の揺れでは塀や家具が倒れやすく、周期が1~2秒と長い場合は家屋が倒壊する恐れが強まる。

境教授が今回の地震の揺れる周期と強さを調べたところ、周期が0.5秒以下と短い「極(ごく)短周期」で強く揺れたことを示す結果が出た。家屋の被害が甚大だった阪神大震災(1995年)や熊本地震(2016年)はいずれも1秒を超える周期の揺れが強く、違いが明確という。

18日の地震で震度6弱を観測した大阪府高槻市の女性(78)の自宅では、地震で物が落ちることはなかったが、家の周囲にある高さ約1メートルのブロック塀には長さ数十センチの亀裂が2本入った。女性は「家の中はたいした被害はなく、塀の亀裂に気づいた時は驚いた」と話す。

大阪府警によると、今回の地震で死亡した5人のうち、高槻市立寿栄小4年の三宅璃奈さん(9)を含む3人は、ブロック塀や部屋の棚が倒れたことが原因とみられている。

総務省消防庁によると、地震による住宅被害は25日時点の判明分で近畿4府県の8089棟に上る一方、99%は一部損壊で、全壊(3棟)や半壊(14棟)は少なかった。

境教授は「家屋が大きな被害に至らなかったのは、揺れの周期が短かったことが影響したとみられる」と指摘。「耐震性が高かったからとは言えず、建物の安全性への過信は禁物だ」と話している。

活断層は特定至らず

今回の地震を引き起こした活断層については政府の地震調査委員会が調べているが、現在も特定に至っていない。断層が分かれば今後の余震に注意が必要な地域を絞ることができるという。同委員会の担当者は「データの解析を急いでいるが、最終的に判別できない可能性もある」と話す。

地震の震源の近くには、マグニチュード7以上の大地震を起こす可能性がある「有馬―高槻断層帯」と「上町断層帯」、「生駒断層帯」の3つの断層が集まる。同委員会は18日に緊急会合を開き検討したが、地震波の周期などが複雑で、断層のタイプが特定できなかったという。

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